結婚式直後の新郎新婦が悲劇に見舞われたと、CNNなどが報じている。
CNNによると、4月28日、米サウスカロライナ州フォリービーチで、アリック・ハッチンソンさん(36)とサマンサ・ミラーさん(34)が結婚式を挙げた。終了後、新郎新婦が「私たち、結婚しました!」と垂れ幕を下げたゴルフカートに乗って移動しているときに、猛スピードで走ってきた車に後ろから衝突され、カートは何度も転がりながら100メートル近く吹き飛んだという。
サマンサさんはその場で死亡。アリックさんは複数箇所の骨折と脳を損傷して病院に運ばれたものの、手術を経て現在は自宅で療養中であると彼の母親が立ち上げたクラウドファンディングプロジェクトで報告があった。
事故を起こした車は時速25キロ制限のゾーンであったにも関わらず時速65キロで走行しており、ドライバーは酩酊状態だったとCNNは伝えている。警察は、この車を運転していたジェイミー・リー・コモロスキー被告(25)を無謀運転致死と飲酒運転の罪で逮捕、起訴した。そして今月17日、アリックさんはコモロスキー被告と、彼女に酒を提供したバー7軒に対して訴訟を起こしたとINSIDERが報じた。
訴状によると、コモロスキー被告が働いていたレストランでは、退勤後やシフトの最中に従業員が他の店に飲みに行くことが日常的に行われていたという。ABCニュース系列局WCIVは、責任者も率先して飲み会の場を設け、過剰な量のアルコールをスタッフに飲ませていた事実をアリックさんの代理人弁護士が会見で示したと伝えている。事件当日も、コモロスキー被告は“危険なほど酩酊“しており、それに気づきながらも、店の従業員はコモロスキー被告に酒を提供し続けたとアリックさん側は主張している。
「この日の、この夜が永遠に続けばいいのにね」
事故の直前サマンサさんは夫にそう語りかけたと、サマンサさんの母親はINSEDERの取材に明かしている。これが彼女の最後の言葉となってしまった。
アリックさんの母アネットさんが始めたクラウドファンディングでは、日本時間21日17時までに、729,165ドル(約1億円)の寄付が集まっている。寄せられた善意は、サマンサさんの葬儀費用や、アリックさんと事故に巻き込まれた親類の治療費に充てられるという。