各芸能事務所がオーディションやスカウトで、新人発掘をするようになったのはここ数年です。芸能事務所の歴史の浅い韓国では、数年前まではテレビ局が、俳優の管理・育成などのマネジメント業務も兼ねていたんですよ。
 各局は人材を公募して、年1回のオーディションを開催していました。これが俳優志望者にとって、芸能界への一大登竜門だったのです

 と語るのは、イ・ジュンギ(26)の所属事務所『フィール・ボーイ』代表のファン・ジョンヒョン氏
 審査は大きくわけて3段階。1次が書類審査、2次でカメラテストと面談、3次で局側の上層部が審査員となって最終審査となる。
 何千、何万人という応募者に対し、合格者は15~40人ほどの狭き門。その倍率は、1万倍以上になることも!
 俳優の公式ホームページなどのプロフィール欄に『MBCO期生』などと書いてあるのは厳しい局のオーディションをくぐり抜けた証しなのだ。
イ・ビョンホン(38)はKBS14期生、チャン・ドンゴン(36)はMBC21期生でデビューしています」(ファン代表)
 ヨン様(36)も、KBSの『愛の挨拶』のオーディションに合格して今に至る。
オーディション落選は、新人への洗礼のようなもの。100回以上、落ちるのはざらなんですよ」(ファン代表)
 今回の「韓ナビ!」では韓国芸能界の最新オーディション事情&有名STARの涙のオーディション秘話を公開!
「15歳のとき、映画祭を見に行って、僕もあの人たちみたいになりたいと思ったんです。それがきっかけで、KBSの『サバイバル・オーディション』を受けたんです。最近、テレビ局主催のオーディションが復活しているんですよ
 と語るのは、10月18日、日本で初めてのファン集会を行ったキム・ボム(19)。エデンの東』でソン・スンホン(32)の青年時代を演じた注目株が、来日中に本誌編集部で取材に応じてくれた。
「『サバイバル・オーディション』には、約3万5千人の応募がありました。1次審査の書類選考で、約半分がふるい落とされます。その後、面談形式の審査があり、4次選考で残るのは10人
なんですよ

 と、まさにサバイバル!
 5次選考からは審査の様子が40分番組で毎週、テレビ放映されるという。
「演技以外に歌やダンスなど、自分の特技も披露するんです。僕の場合は歌でした。でもそのシーンはカット(笑)」
 毎週1人ずつ落選して、6人が残ると準決勝に。ここでは一気に4人が消え、決勝は2人で争われたそうだ。
実は、僕は準決勝で負けてしまって。優勝した人? ちょっと充電中のようです(笑)」
 合格は必ずしもSTARの座を約束されてはいないよう
 しかしながらボムは『サバイバル・オーディション』の審査員の目に留まり、同局の『思いっきりハイキック』でブレイク。韓国リメーク版『花より男子』(12月末からKBSで放映予定)の西門総二郎役にも抜擢された。ちなみにこの韓国版“花男”の演出担当はヨン様を見初めた『愛の挨拶』のチョン・ギサン監督だ。
 ボムのようにオーディションで苦い経験を味わった韓流STARの代表格がイ・ジュンギ。意外にも工事現場でアルバイトをしながら、数々のオーディションにチャレンジしてきた苦労人だ。
ドラマや映画、CMモデルなど、200回以上も受けては落選しました。当時は、マネージャーと3人で10坪もない狭いワンルームで自炊生活を送っていたんですよ
 と、前出のファン代表は極貧時代を振り返る。
「落選はいいことではないが、克服していく過程は絶対に意味がある」とジュンギは韓国紙の取材に答えていた。そんな積み重ねが『王の男』の大ヒットにつながったのだ。
’92年からモデル活動をしていたチョン・ウソン(35)も俳優を目指しMBCとSBSのオーディションに何度も挑戦しました。合格したのは2年後のドラマ『千年愛~クミホ~』でした」(韓国紙記者)
 ウソンもジュンギと同じく、落選が糧になったという。
「当時、合格していたら“映画俳優”チョン・ウソンではなく、中途半端なテレビタレントで終わっていたはず。絶望を味わいましたが、それをバネにして演技を学ぶことができました
 と、韓国メディアのインタビューで殊勝に語っていた。
 彼らのように、デビューまでに長い道のりを歩んだ俳優も大勢いるが、ラッキーな一発合格組もいる。
 チソン(31)もその1人。ドラマ『カイスト』を見て俳優を志した彼は、さっそく、制作会社に電話。書類審査の後、オーディションを受けて、トントン拍子で『カイスト』に途中から出演という異例のスピード・デビューを飾った。
 演技未経験のイ・ジア(27)は、『太王四神記』のオーディションに合格して、ヒロインの座を射止めたシンデレラ・ガールだ。
 オーディションはテレビ局での再開だけではなく、新たな試みも始まっているという。
「今年で5回目となるオルチャン選抜大会は、梨花女子高校を会場にして、審査の模様をネットで生中継する“ネット・オーディション”。
 合格した暁には、MBCアカデミー(芸能人養成所)への入学とケーブルテレビの番組出演が約束されます」(前出の韓国紙記者)
 ク・ヘソン(23)も、ここで合格してステップアップ。『花男』のヒロイン役に抜擢されるまでに成長した。
韓国の若者の過半数が、芸能人になりたいという夢を持っているそうです。繁華街でスカウトされるのはごくわずか。時代は変わっても、オーディションが芸能界入りのいちばんの方法ですね」(ファン代表)
 今日もどこかのオーディション会場で、次世代STARが産声を上げているかも!

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