韓国のアイドル事情は、近年、様変わりしている。それを象徴するのが、「財閥」と「アイドル」を掛け合わした「財閥ドル」という造語だ。生まれた時から何一つ不自由ない財閥家で育ち、アイドルの道に進んだ人たちを指すこの言葉。そこにはかつて耳にした「デビューの陰にあった貧乏話」や「下積み中の苦労話」などはなく、まったく異なる世界が存在するのだ。
代表的な“財閥ドル”といえば、韓国最大手芸能事務所・SMエンターテインメントに所属するSUPER JUNIORのチェ・シウォン(29)。 父親は貿易会社「ハンファ流通」の社長(2011年当時。現在、聖公会大学兼任教授として在職中)で、個人用のヘリコプターを所有していると噂されたこともあるほど。メンバーのイトゥク(32)が「チェ・シウォンの家は一軒ではなくて、一つブロックを形成しているようだ」と驚いたことも。デビューから“貴公子”と呼ばれ、メディアで登場する宿舎での生活ぶりが「グラビアのようだ」と称されたのも、そんな彼の余裕ある家庭環境が影響しているのかもしれない。
またMBLAQのジオ(27)の父は、広大なゴルフ場を経営する超VIP。ゴルフ場のほかにも、サバイバルゲームセンター、雪ソリ場、水のスロープ場といった多様なレジャー事業を次々と展開しているという。自宅を訪れたことのあるメンバーは「部屋がおよそ20室あった」と証言している。さらに同グループのミル(24)の父も財産家で、ミル自身、9つ所有する山の中に国立公園が3つあると明かしている。MBLAQの3周年ファンミーティングのときは、ファンに1年間、りんごを無料で提供するサプライズプレゼントを行ったこともあったという。
さらに、スター帝国で育てた9人組男性アイドルグループZE:Aのヒョンシク(23)も財閥ドルの一人。父がBMWの取締役陣の一人ということが、彼のタレントカラーにもなっていて、奇しくも、今月末に放送終了した最新ドラマ『上流社会』で財閥家の2世を演じ、好評だとか。
女性アイドルでは、Apinkの元メンバーのホン・ユギョン(20)が欠かせない。昔、自宅がテレビで公開されるや「父親は何をやって、それほどの財力も持っているか?」と話題に。彼女の父親のホン・ハジョン氏は、DSR製鋼の最大の株主で代表取締役。同社はユギョンの祖父、ホン・スンモ会長が創業し、船舶や自動車などに使用される部品全般を製造している。輸出先は100カ国におよび、米国、ドイツ、日本、中国などに現地営業事務所を置く。ユギョン自身、米留学などエリートコースを歩み、ピアノ、ビオラなどの楽器演奏やチアリーダー、と多方面で才能を発揮した。
一方、少女時代のスヨン(25)は祖父が有名な建築家で、芸術の殿堂の建物を設計したことで知られる。ソウル大出身の父をはじめ、母は声楽を専攻した音楽家、姉はミュージカル俳優、とまさに華麗なる一族だ。 レッスン生時代、ほかのメンバーが宿舎生活を送るなか、スヨンは家族が暮らすおよそ2億円の高級マンションに同居。 祖父が設計した田園住宅では、スヨンがテニスをする優雅な様子がテレビで公開されたことも!
その他にも、現在トップスターとして活躍する財閥出身者には、下記のような俳優がいるという。
カン・ドンウォン(34) 世界造船メーカーの順位10位圏内に入る「SPP」の副社長の息子
イ・フィリップ(34) 米国ワシントンDCに本部を置くIT会社「STG」の会長の息子
イ・ソジン(44) 「ソウル銀行」「第一銀行」の元頭取の孫
ユン・テヨン(40) 「サムソン電子」の元副会長の息子
ハン・ジェソク(41) 「KIA自動車」の元副会長の息子
イ・ミンジョン(33) イ・ビョンホンの妻で、最高権威である大統領賞受賞した画家の孫
チョン・イル(27) 元大統領の主治医を務めたこともある、有名総合病院の院長の孫