「入水自殺に備える」韓国“超学歴社会”に生きる若者の困難
画像を見る 韓国の受験生街、ノリャンジンの風景

 

■大卒=立身出世=勝ち組

 

――そもそもなぜ、韓国は日本よりも教育熱が高いのでしょうか。

 

「元をたどると、今の二十代の若者の祖父母世代に行き着きます。60年代の朴正煕(パク・チョンヒ)政権では大卒者が少なく、大学さえ出られれば、財閥級の大手企業に悠々と入ることができたんです。

 

祖父母世代が自身の実感から形成した“大卒=立身出世=勝ち組”という方程式で子育てを行い、孫の代までその価値観が継承され続けています」

 

――今では大卒者と大手企業の需給バランスが崩壊しているということですね

 

「とにかく子供の頃から徹底的に勉強を叩き込まれます。寝る間も惜しんで朝から晩まで。その結果、『ここまで頑張ってきたのだから』と、就職で妥協することができなくなってしまう人が多く、現在の若者たちの苦悩に直結する問題となっていますね」

 

日本では、そこそこの努力でそこそこの結果が得られれば良しとする“さとり世代”など、若者の省エネ化が指摘されていますが、韓国の若者はその真反対。実力・学力が高ければプライドも高い一方、大手企業の門戸は非常に狭い……。これらに折り合いがつけられず、八方塞がりになってしまうというのが、リアルな韓国の若者たちを覆う現実のようです。

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