10月22日の即位パレードは国を挙げての大イベントになる。そんな華麗なパレードの場に限らず、ご公務で地方にいらしたときなどニュースに映る雅子さまや皇族方に寄り添う黒スーツに身を固めた女性たち。過酷な訓練に励む日々を過ごす彼女たちは皇宮警察の皇宮護衛官だ。なぜ、皇族警護の仕事を選んだのか? 女性皇宮護衛官の本音に迫ってみた――。
皇宮護衛官歴3年目の長みか巡査長皇宮巡査(25)の相棒、それは重量300kgを超す白バイだ。
「両親がモトクロスの競技選手で、私も小さなころからモトクロスのバイクに乗っていました。だから、白バイ隊員は夢の職業でした」
高校で普通二輪免許、大学で大型二輪免許を取得し、箱根や地元から近い江の島へのツーリングを楽しむ学生生活を謳歌していた長さん。
「大学で戦争について学んでいた15年に、天皇皇后両陛下(当時)がパラオをご訪問されました。太平洋戦争の激戦地だったペリリュー島で、ご遺族や島民の方々が両陛下のお言葉にとても美しい涙を流されていたことに深い感動を覚えました。それから『こういう方々をお守りしたい』という気持ちが日々大きくなっていきました」
皇宮警察の存在を知ったのは高校生のとき。習っていた剣道の師匠が皇宮警察で指導していたのだ。
「先生には『己れの欲せざるところは人に施すなかれ』という孔子の言葉を教わりました。周りの方々とのつながりの中でいい関係を築いていこうということ。皇宮護衛官になってからも、皇室と国民の方との懸け橋となるべく、この言葉を胸に任務に励んでいます」
そんな前向きな長さんを悩ませているのが、意外にも白バイ訓練だ。取材当日もコーンを置いて、鋭くターンする8の字走行を繰り返し練習していた。
「モトクロスと白バイは乗り方が違います。クセを直すのがけっこう大変で……。訓練中に操作ミスで転倒して、バイクと地面の間に脚がはさまれて、大きなアザを作ってしまったこともありました」
撮影で赤色灯を備えた『ホンダCB1300P』に乗ったときに、訓練中に見せていた真剣な表情が、さらに引き締まったように見えた。
「本番で実際に使うバイクですから。私は練習で使う白バイにしか乗ったことがないので、またがるだけでいちばん緊張しました(笑)」
緊張が続く新人皇宮護衛官を癒してくれるのは、大好きなドリカムの歌。そして――。
「ストレス解消といえるのかどうか、非番の日には剣道で汗を流しながら、大声を出しています。体も鍛えられますしね(笑)」
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」より
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」
発売日:10月15日(火)
発行:光文社
価格:500円(税抜き)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334843417/