《愛子は、この3月に学習院女子高等科を卒業いたします。学習院女子高等科においては充実した高校生活を送ることができたようで、それもひとえに先生方や多くのお友達のお陰であると感謝しております》
天皇陛下は先月の誕生日会見で、愛子さまについてお話しになった。会見当日の2月21日に、愛子さまが志望されていた学習院大学文学部日本語日本文学科から合格通知が届いたという。
《充実した学生生活を送ってほしいと思っています。その中で、自分のやりたいことを見つけ、成年皇族としての公務とのバランスを見出しながら将来への希望を描いていってもらえれば、と思っております》
天皇陛下は、大学生になられる愛子さまにそうエールを送られた。しかし、愛子さまの“皇族としての将来”は、先が見えないままなのだ――。
2月16日付の『読売新聞』には、こんな見出しが躍った。
《女性・女系天皇、議論せず》
驚くべきことに安倍政権が、女性・女系天皇について議論しない方針を固めたというのだ。公の場で議論を行うための有識者懇談会すら設けない方向だという。
その理由は、記事中の政府関係者によれば、女性天皇容認となれば悠仁さまが天皇につけない可能性も出てくるため「皇室の安定性を損ないかねない」からだという。
一方、象徴天皇制を研究する歴史学者で、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉さんはこう話す。
「安倍政権としては、なんとか皇統は男系で続けたいというのが本音なのでしょう。しかし、女性・女系天皇が認められないままでは、将来の悠仁さまのお妃にも大きなプレッシャーがかかります。公務よりも男性の子どもを産むことが何よりも優先させられる事態になりかねません。皇族減少への対策がない以上、何度先送りしても、女性天皇をめぐる議論が再燃することは不可避だと思います」
議論の先送りは、皇室の存続を危うくし、愛子さまの将来設計を難しくするだけではないのか――。
宮内庁関係者によれば、そのような状況でも、愛子さまは大学進学の準備を進められているという。
「ただ、新型コロナウイルスの感染拡大により、新生活のスタートは少しさびしいものになるかもしれません。愛子さまの卒業式は3月22日の予定ですが、マスク着用が原則で、謝恩会は中止されるそうです。大学の入学式については、まだ何も決まっていないようです」
「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載