女性宮家創設について賛否の声があるなかで、美智子さまのお考えは、できるだけ反発を避けて速やかに実現させることができる案だといえる。政府は、秋篠宮さまが皇位継承順位第1位となられたことを国内外に示す「立皇嗣の礼」を、今秋にも開く方向で調整に入った。
立皇嗣の礼を挙行後、政府は安定的な皇位継承策について本格的な検討を始める。もちろん女性宮家についても議題に上るはずだ。
「女性・女系天皇の是非も含めた皇位継承問題は喫緊の課題にもかかわらず、7年9カ月もの長期政権となった安倍政権ではまったく進展がありませんでした。菅政権までもがこの問題を先送りすれば、皇室の存続はいよいよ危うくなります」(前出・皇室担当記者)
長引く“小室さん問題”が、女性宮家創設のネックになっているのは間違いない。
「眞子さまは秋篠宮家の長女として、海外への公式訪問を5回もされるなど、皇族としての責務をしっかりと果たされてきました。美智子さまは、ご公務にも学業にも真剣に取り組まれる眞子さまを頼りにされています。皇室の一員として両陛下を、そして将来の天皇を支えてほしいという思いもおありのようです。ただ、小室さんについては、結婚のお相手としてふさわしい方なのか、疑問に感じていらっしゃるのではないでしょうか。もしこのままご結婚となった場合、眞子さまに皇室に残ってもらうとしても、小室さんを皇室に迎え入れることはできない――。そこで出された結論こそが、女性皇族のみが公的なお務めを果たす、とのお考えなのだと思います」(前出・宮内庁関係者)
皇室ジャーナリストは、このお考えに美智子さまのご覚悟が滲んでいると語る。
「実は女性宮家の創設だけでは、皇族減少の根本的な解決にはならないのです。悠仁さまに将来、男子のお子さまが生まれなければ、皇位が途絶えてしまう――。その危機的状況を変えるには、女性天皇、さらには女系天皇を容認するしかありません。ただ、まずは皇族の減少に歯止めをかけるため早急に女性宮家を認め、一人でも多くの女性皇族に皇室に残ってもらい公務を担ってほしい……。美智子さまはそうお考えになっていらっしゃるのではないでしょうか」
’19年4月に朝日新聞が実施した世論調査では、50%が女性宮家に賛成だったものの、反対も37%にのぼった。皇位継承の危機が迫るなか、菅政権はどのようにこの問題に取り組むことになるのか――。
「女性自身」2020年10月13日号 掲載