新年一般参賀の中止に続き、歌会始の儀も3月に延期――。皇室のご活動にも大きな影響を及ぼしている、新型コロナウイルスの急速な感染拡大。
ただ、皇室担当記者によれば、今年は両陛下にとって“ご多忙な1年”になる可能性が高いという。
「天皇皇后両陛下が地方を訪問される『四大行幸啓』は、昨年すべて延期となりましたが、今年は開催される予定なのです。さらに東京五輪が開催されれば、両陛下が開会式に出席されることになります。しばらくはオンラインでのお務めが中心になりますが、ワクチン接種が進むなど感染が収束していけば、今年中に両陛下が地方に足を運ばれる可能性もあります」
鍵となるワクチン接種だが、菅首相は1月13日の会見でも「できる限り2月下旬までには接種開始できるよう、各自治体において会場の設定などの準備に入っている」と述べている。
ただ、当面は供給量が限られるため、政府は医療従事者(約400万人)、65歳以上の高齢者(約3千600万人)、基礎疾患のある人(約820万人)の順で接種を進める方針だ。
皇室の方々は、優先的に接種を受けられるのだろうか? 宮内庁関係者はこう語る。
「両陛下が、国民より優先してワクチン接種を受けられることはないでしょう。接種の時期は、国民と同じ基準で進められることになります。皇族方では、上皇ご夫妻をはじめ、ご高齢の方や疾患をお持ちの方だけが優先接種の対象になると思われます」
実は’09年に新型インフルエンザが流行した際にも“天皇陛下や皇族方は優先して接種を”との声もあったが、皇室の方々は国民と同じ基準を守られた。
前立腺がんの治療中だった上皇陛下は優先的に接種を受けられたが、当時75歳だった美智子さまは接種を先送りされたのだ。ワクチン接種は国民を先に――。そのお考えは、両陛下にも引き継がれているという。
「今回も、天皇陛下と雅子さまは医療従事者や高齢者ら約5千万人のへ接種が完了するまで、ご自身への接種を待たれることになるでしょう」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまは新年のビデオメッセージでも、陛下のお言葉に続き、こう述べられていた。
「今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように」
皇室行事の中止や延期が続いても、雅子さまが国民への“慈愛”を忘れることはない――。
「女性自身」2021年2月2日号 掲載