公文書で発覚「羽田新ルート」上皇ご夫妻のご生活に配慮ゼロ
画像を見る 宮内庁が国交省とのやり取りを記録した文書。文書開示請求によって本誌が入手

 

■上皇陛下のお住まい付近の住民は《うるさくて地獄》

 

文書には高輪皇族邸周辺の騒音は〈屋外で最大70〜75デシベル(街路沿いの住宅地の騒音程度)〉と書かれている。しかし、その実態を都心の低空飛行に反対する「みなとの空を守る会」の共同代表・増間碌郎さんが語る。

 

「数分おきに飛来する飛行機のエンジン音がうるさくて仕事が手に付かないほど。低空飛行の航空機に対して、多くの住民が騒音や振動への怒り、落下物の恐怖をつねに感じています。上皇ご夫妻のお住まいの高輪皇族邸も大きな騒音に包まれています」

 

実際に周辺の住民から同会にはこんな声が届いているという。

 

《静かな地であるから高輪を選んで転居してきましたが、今はうるさく地獄です。爆音でノイローゼになりそう》
《子供が飛行機の音が怖いと言って、公園で遊べなくなりました。飛行機が通る度に泣いていました》

 

さらに落下物の危険性を、元日本航空機長で航空評論家の杉江弘氏はこう指摘する。

 

「着陸のために車輪を出す振動で、部品や氷塊などの落下物の危険性が高まります。羽田空港に着陸する場合、新宿から品川上空で車輪を出すことになりますが、高輪皇族邸はその範囲内です」

 

次ページ >五輪のために強行された新ルート

【関連画像】

関連カテゴリー: