■“もっと伝えたい”秋篠宮家のご活動
本誌が聴覚障害者教育福祉協会にその経緯を聞くと、担当者は次のように答えた。
「会がすべて終わった後に、皇嗣職の方から“配布してほしい”というお話がありました。宮内記者会への報道対応は皇嗣職でやっていただけるとのことで、協会に個別に取材を申し込まれた6社のご担当者にお送りしました」
この“異例通達”の効果を、名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんはこう解説してくれた。
「報道によって、天皇や皇族方が臨まれている公務に関わる人々の存在が、広く社会の注目度や関心を高める効果があります。佳子さまがご自身の公務におけるお言葉を配布することは、聴覚障害のある子供やその保護者が直面してきた問題を、より広く世間に示すことにつながります。
宮内記者会以外にも配布するように依頼したことは、ネットを含めたメディアの影響が大きくなっている時代性を理解されているからなのでしょう。今年4月から宮内庁に新設される広報室のあり方を先取りするような発信の形であるとも思いました」
昨年公開されたお誕生日に際しての動画は“アイドルみたい”と話題になった。華やかな装いや所作も注目され、“魅せる皇室”を目指し、独走されているようにも見える佳子さま。しかしそれは、秋篠宮さまが従来示してきた方針に対して“反旗”を翻すことでもあるというのだ――。
「秋篠宮さまは、“公務受け身論”を会見でたびたび述べられています。『自分のための公務は作らない』『皇族の公的な活動というのは社会からの要請にこたえて行われるべき』など、皇族として関わられるご公務のあり方について示されてきました。
しかし、秋篠宮ご夫妻はご公務数が多いわりにご活動が大きく報じられているとは言いがたく、ご夫妻のお考えがしっかり国民に伝わっているのかという疑問もあります。また眞子さんの結婚問題以降は、ご夫妻のお言葉を式典などの事前にメディアへ出さないようになっています。
それに対して佳子さまは、“自分たちの活動や姿勢をもっと社会に知ってもらうべき”とお考えになっているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
佳子さまは“受け身の公務ではダメ”と、独自の道を歩もうとされているが、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう話す。
「秋篠宮さまの“公務受け身論”は、皇嗣となられるより以前に示されていたお考えです。 むろん現在では将来の天皇となることが予定されているお立場になられ、ご公務を通じて、より積極的で熱心な国民への歩み寄りが求められています。
秋篠宮ご夫妻や佳子さまが、受け身ではなく能動的に国民へ歩み寄られることは望ましいことなので、今後もその流れが続くことを願っています」
佳子さまが翻された“反旗”が生む変革から、目が離せない――。