■“銃犯罪”の増加も懸念を高める要因に…
なぜ愛子さまにはこれほどの警護体制が敷かれるようになったのか。宮内庁関係者は、
「やはり相次ぐ“テロ”の影響があると言わざるをえません……。昨年7月、遊説先で銃撃された安倍晋三元首相が命を落とし、今年4月には、岸田文雄首相も応援演説のため訪れた和歌山県で手製の爆発物を投げ込まれる事件が起きました。こうした状況では、皇室の方々の警護を強化しないわけにはいかないのです」
政治のトップが狙われる“テロ”が頻発するほかにも要因があると、前出の久能さんは指摘する。
「昨今、銃器を用いた凶悪な犯罪が増えています。唯一の皇女というお立場にある愛子さまの警備が厳重になるのは、やむをえない社会情勢であると思います。
しかし、愛子さまの学生生活はコロナ禍のために通学すらままならない状況でした。ようやく通学できるようになったのに、厳重すぎる警備が敷かれていたとすればお気の毒です」
留学した英オックスフォード大学でのご経験から、天皇陛下は警護が厳しくなりすぎることの危うさを示されたこともあった。
「帰国後に開かれた記者会見で、天皇陛下は日本の警備体制が“過剰すぎる”と指摘されたことがありました。さらに陛下はこのとき、『警備というものは、国民と皇室との間を隔てるものであってはいけない』ともおっしゃったのです。それ以降、皇室の方々を取り巻く警備は、なるべく目立たないようなソフトなものになっていったのです」(前出・久能さん)
皇室と国民との間で警察が壁となる昨今の状況は、「開かれた皇室」というあり方を危機にさらしかねない。国民にとってかけがえのない存在である皇室を守るためとはいえ、愛子さまの将来にも影響を及ぼしかねずーー。
「警護が厳しいために、学生たちは愛子さまに近づきがたく感じているようです。せっかくキャンパスに足を運ばれるようになったのに、ご友人を増やしにくい環境になっているのです。それは、将来のご結婚を見すえて、恋愛対象となる方との出会いが阻まれているような状況になっているともいえるのです」(前出・皇室担当記者)
キャンパスの恋と安全の確保。このジレンマに、両陛下や宮内庁、警察も懊悩しているようだ。
「かつて天皇陛下がおっしゃったような、“ソフトな警備”を目指すことが理想とはいっても、愛子さまの安全が最優先です。現在の体制を愛子さまがどうお感じになっているのかも含めて、検証する必要があるでしょう」(前出・宮内庁関係者)
残された学生生活は1年もない愛子さま。取り巻く状況は穏やかとは言いがたいが、素敵な日々を謳歌していただきたいーー。