春以降ご公務が増え、スーツスタイルでお出ましになる雅子さまのお帽子姿も多くなってきた。日本芸術院賞授賞式にも白いスーツに同色のお帽子をお召しになりご出席。皇后らしい優雅さと、お帽子の下にはつらつとした表情をお見せになっていた。そんな雅子さまの「伝統のお帽子」コーディネートを振り返ります。
【4月21日】第31回日本医学会総会
ジャケットの縫い込みのラインにマッチングさせたデザインの共布をドレッシーなカノチエ型のお帽子にも使い、自信に満ちたご表情を。
【4月28日】第17回みどりの式典
お帽子のリボンとスーツの襟元、袖口の重ねが統一されたデザイン。淡い緑と光沢のある黄緑のサテンを和服のように合わせ華やかに。
【5月18日】全国赤十字大会
トップを平たくしたボーラー帽にクラウンの高さいっぱいに回した地紋の美しい布地は、ヘチマカラーのスーツと共布で優美な印象が。
【6月4日】第73回全国植樹祭
カノチエ帽とトップの丸いボーラー帽を組み合わせたお帽子。リボンの飾りをジャケットの襟、袖、ポケットのブレード(紐)に合わせて。
【6月12日】日本学士院第113回授賞式
浅めのボーラー型のお帽子に2重のリボンを。そのテイストがジャケットの特徴のある襟から前たてのデザインと統一されている。
【6月17日】インドネシアにご出発
お帽子の模様は紫のビーズを斜めに3段に並べ、その下に小さなビーズをちりばめている。ライラック色のスーツのボタンと統一感を演出。
【7月3日】第79回日本芸術院賞授賞式
三角のイタリアンカラーに、カットワークしたレースのモチーフを飾ったスーツ。レースの飾りをお帽子の幅広のリボンにもお使いに。
雅子さまの装いについて、ファッション評論家の石原裕子さんは次のように語る。
「雅子さまはお帽子のリボンと、お召し物のテイストをうまくコーディネートした装いをされています。お帽子はいわゆるカンカン帽と呼ばれるカノチエ帽と、チャップリンが愛用したボーラー帽(山高帽)をアレンジした形のものが多いです。双方のよい部分を生かしたシルエットがこれからのお帽子の定番になるのではと思います。雅子さまはお召し物に合わされるだけでなく、バッグなどの小物にもお帽子と統一感を含ませていて、そこも素敵です」