■石川県は2カ月半前に訪問されてばかり
天皇陛下と雅子さまは、昨年10月中旬に石川県を訪問されたばかりだった。皇室担当記者が続ける。
「15日に金沢市で行われた『いしかわ百万石文化祭2023(第38回国民文化祭および第23回全国障害者芸術・文化祭)』開会式などに出席されるためでした。
開会式では伝統芸能や、伝統芸能に現代的なダンスや音楽などを組み合わせたオープニングステージを鑑賞されています。
その式典後、両陛下は出演者らと交流されました。例えば右手が不自由で左手のみでピアノを演奏した黒崎菜保子さんに天皇陛下は『左手のための曲、たくさんありますよね』と声をかけられ、雅子さまも『天皇陛下もピアノをなさっているのですよ』と、おっしゃる一幕もあったのです」
それから2カ月半、両陛下による新年一般参賀中止ご決断について、前出の黒崎さんはこう語る。
「石川県には10月に来ていただいたばかり。地元の人々との交流も記憶に新しく、そうした地域で災害が起こっていることで、天皇陛下と雅子さまもより心を痛められているのではないでしょうか。
10月のご来訪時には、県民の皆さんに対しての慈悲のあるお心を感じましたが、新年一般参賀を中止されたことからも被災地へのお気遣いを感じています」
黒崎さんと同じように10月15日に両陛下と懇談した茶道家の奈良宗久さんは、金沢市で被災。奈良さんの茶道道場・好古庵も被害を受けているという。
「家族はけがをしていませんが、庵の屋根が歪み、屋根瓦が少し路地に落ちてしまいました。灯籠も損壊しています。金沢市内は、比較的大きな被害はないようですが、古い建物は私の庵と同じように屋根瓦が落ちていますし、山間部は崖崩れも生じています。
昨年10月、両陛下にはお点前を披露させていただき、別室で3~4分ほどお話しさせていただきました。
新年一般参賀のお取りやめは、被災した地域のことを思われてのお気持ちと感じました。両陛下がお心を寄せてくださっていることに、被災地の皆さんも心強く感じていると思います」
両陛下そろっての石川県ご訪問は昨年10月が25年ぶりだったが、かの地は天皇陛下にとっても雅子さまにとっても、思い出が詰まった場所だ。
「天皇陛下は49年前の1975年8月に学習院高等科のゼミ旅行で、金沢市と輪島市に宿泊し、能登半島を一周されています。
今回の地震で1.2メートル以上の津波が観測された輪島港も見学されました。2017年に石川県を訪れた際には、当時の県知事へ能登半島旅行にについて懐かしそうにお話しされていたそうです」(前出・皇室担当記者)