■英王室から家族同然の待遇を受けられた天皇陛下
’85年、天皇陛下は記者会見で、英王室からの厚遇について次のように語られている。
「(バルモラル城滞在中)英国王室ご一家に非常に温かく迎えていただきました。自分でいうのもなんですが、家族の一員に加えてもらったような印象を受けたほどでした」
陛下はバーベキューパーティに招かれたり、11歳ほど年上のチャールズ国王に連れられて釣りを楽しまれたりしたという。
“家族の一員”というのは陛下だけの印象ではなかった。’84年、エリザベス女王の夫・エジンバラ公は、訪英中の中曽根康弘首相(当時)に、「浩宮殿下(天皇陛下)は完全にロイヤルファミリーの一員となっています」と語ったのだ。
「天皇陛下は、チャールズ国王を“兄のような存在”として敬愛し続けていたのです。エリザベス女王逝去後、両陛下はロンドンでの国葬に参列されました。外国の国王や元首の葬儀に天皇陛下が参列されるのは異例のことです。哀悼の意を示す陛下と国王が、しっかりと見つめ合い、固く握手を交わす様子から、強い絆が感じられました」(前出・宮内庁関係者)
がん闘病中のチャールズ国王は、最愛の義理の娘であるキャサリン皇太子妃までがんにかかってしまったことに、大きな衝撃を受けていると言われている。
「そんな危機的な状況だからこそ、チャールズ国王は、救いを求めるような気持ちで、自分と同じく国を担う宿命を背負われている“弟”、天皇陛下との再会を強く望んだのでしょう。“あなたも家族の一員なのだから、遠慮せずに英国に来てほしい”という気持ちを、招請の実現というかたちで陛下に伝えたのだと思います。
今回のご訪英が実現すれば、次の世代、たとえば愛子さまが英国を訪問し、ウィリアム皇太子ご一家と面会されるというような将来も期待できます」(前出・宮内庁関係者)
英国民も両陛下のご訪問を心待ちにしているようだ。
「英国では雅子さまが長期のご療養をなさっていたことも報じられていました。また日本の皇室ニュースも日常的に報じられており、英国民たちも両陛下のご来訪を歓迎することでしょう」(多賀さん)
天皇陛下とチャールズ国王の“兄弟の絆”は、日英両国の未来を照らし続ける。