譲渡担当者がつけたセブンという名前を気に入られた愛子さま /(C)JMPA 画像を見る

「保護されたときは怯えていたセブンちゃんが、大きくなって元気で過ごしているようで本当によかったです。猫は、よその人が撮影してもいい写真にはなりません。穏やかな様子のセブンちゃんの写真から、ご家族から愛情をいっぱい注がれていることがわかります」

 

そう語るのは東京都千代田区にある動物福祉団体「ちよだニャンとなる会」の香取章子さん。

 

6月7日、天皇皇后両陛下のご成婚記念日の2日前、ご一家で飼われている日本猫でキジトラの「みー」(オス・約14歳)と「セブン」(オス・約8歳)の写真を宮内庁が公開した。

 

2016年9月に天皇ご一家の“家族”となったセブン。子猫のころに香取さんに保護された過去を持つ。保護猫の保護・譲渡を20年以上続けている香取さんが、「セブン」との出会いをこう語る。

 

「2016年7月中旬に、千代田区内に建つ建物の7階にある空中庭園に、飼い主のいない母猫と3匹の子猫がよくやってくるという相談を受け、保護するために駆けつけました。そこでヨチヨチ歩きで階段を上ってきたのがセブンちゃん。乳離れした生後3カ月ほど。警戒心が強くてちょっとワイルドな子猫で、ビルの7階で保護されたからセブンと名付けました」

 

その後、動物病院を介して、「セブン」は天皇ご一家が引き取られた。

 

「セブンちゃんがどこのご家庭に譲渡されたか知りませんでした。ところが保護してから5カ月後、愛子さまがひざに猫をのせているお写真が公開されたとき“あ~セブンちゃんだ”と。保護猫は譲渡先で新しい名前をつけられることが多いのに、セブンという名前を愛子さまが気に入ってくれていると知ってうれしかったです」

 

香取さんは、翌2017年9月に行われた「臨床獣医学フォーラム」にプライベートで訪れられていた両陛下とお目にかかる機会に恵まれた。

 

「私はフォーラム会場でチャリティグッズを販売していましたが、ブースに立ち寄られた天皇陛下が『セブンちゃんがお世話になりました』と声をかけてくださり、その後、雅子さまからも『大変すばらしい活動をしている団体とうかがっています』とおっしゃっていただきました。セブンちゃんを広い心で迎えてくださったのです」

 

ご一家が生活されていた赤坂御用地に紛れ込んできて2010年からファミリーに加わった先輩猫「みー」、さらには2009年から一緒にいる保護犬の「由莉」とともに「セブン」は仲よく過ごしているようだ。

 

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