■雅子さまに英国でのご静養を勧めていた女王
英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんによれば、
「英国では、雅子さまが外務省に勤務されていたことも高く評価されていて、そうした方が皇室という特別な環境に入られ、適応障害になられたことに同情的な声が上がっていたのです。エリザベス女王も同じように長期療養中の雅子さまを気にかけていました。
’04年に雅子さまが適応障害であることが発表されてから2年後の’06年夏に、天皇ご一家はご静養のためにオランダを訪問されています。実はオランダ王室からのご招待に前後して、エリザベス女王もご一家を英国へ招待していたという情報を耳にしたことがあります。
『しばらくこちらで療養されてはいかがでしょうか』と、雅子さまをお手紙で誘われたというのです。そういった過去もあったからでしょうか。天皇陛下が即位されると、女王はまっさきに両陛下を改めて国賓として招待したのです」
“エリザベス女王からのお手紙”は、適応障害でご公務がままならず、自信を失いかけていた雅子さまにとって、望外の喜びだったことだろう。
両陛下の訪英スケジュールは、6月22日から29日までの8日間。雅子さまはどの行事に臨まれるか、かなり以前から緻密に検討されたようだ。
「今回の日程で“最大の目標”は25日の一連の行事をまっとうすることといえます。この日は、騎兵隊や歩兵隊も参列しての歓迎式典、国王夫妻との馬車パレード、バッキンガム宮殿での国王主催の午餐会、同じくバッキンガム宮殿での国王夫妻主催の晩餐会など、華麗かつ重要な行事が続きます。
この日に備えて、到着直後の23日・24日は雅子さまのお出ましは予定されていませんでした」(前出・皇室担当記者)
26日以降も、“天皇陛下お一人”の予定とされている行事もあるが、雅子さまは、1つでも多くの行事に臨むことを強く願われている。
前出の皇室担当記者が続ける。
「昨年のインドネシアご訪問には、主治医の大野医師は随行していませんでした。もともとは随行員リストに載っていたようですが、直前になって随行は必要ないという判断が下されたそうです。“主治医不在”で海外ご訪問を完遂したことは、雅子さまにとって大きな自信となったことでしょう」
それにもかかわらず、なぜ英国に大野医師が随行することになったのか。
「もちろんインドネシアと英国では、移動に要する時間も異なりますし、日本とは8時間の時差があるため、お体への負担も少なからず生じます。
ただ、そうした理由だけではなく、雅子さまは、ご体調の維持に万全を期し、現在お出ましにはならない予定の行事にもっと参加されたいとお考えのようです」(前出・皇室担当記者)
精神科医の香山リカさんは次のように語る。
「いまはオンラインでの診療もありますし、大野裕先生の英国への随行は“絶対に必要”というほどではなかったはずです。
しかし英国では、インドネシア以上の注目が集まります。緊張を強いられる場面もあり、お疲れになってしまうこともあるでしょう。そのようなときに、大野先生のアドバイスや笑顔により、安心感を得ることができると思います。
雅子さまが、いまも大野先生を頼られているということではなく、万が一に備えて、またさらに英国ご訪問を充実させるためのご決断とお見受けします」