愛子さま 動物への慈しみの心を育んでくれた“那須の恩人”が逝去していた
画像を見る 2010年5月ごろ、東宮御所で8歳の愛子さまがエサを与えながら猫の親子を見守られて(写真提供:宮内庁)

 

■最期の一瞬まで注ぐ愛情を学ばれて…

 

佐藤さんは、高齢や体調のために展示やショーから引退した動物たちの世話を、晩年を過ごした兵庫県内の自宅兼会社で続けていた。テレビのインタビューでは、

 

「せめて最期の時を幸せに…。(中略)人間と違って自分たちだけでは生きていけない仕事仲間だから」(MBS『よんチャンTV』2023年5月12日放送)

 

と語り、動物たちの“幸せ”のために尽力していたという。前出の地元住民もこう続ける。

 

「動物の遺骸は、法律では廃棄物とされています。しかし佐藤さんは“ゴミではない、遺体だ”として、那須どうぶつ王国や姉妹園の神戸どうぶつ王国には慰霊碑を建て、亡くなった動物を悼んでいます。動物たちへの慈しみの心は、天皇ご一家とも通じているように感じます」

 

東宮御所で生活されているころから、両陛下と愛子さまは保護された犬や猫を飼われてきた。かつて赤坂御用地をご散策中に、雅子さまがけがをしたタヌキを見つけ、動物病院や行政と連携してお世話をされたこともある。

 

愛子さまはさまざまな境遇にある動物たちとの向き合い方を、“どうぶつ国王”との交流を重ねるうちに学ばれていったのだ。

 

「学習院初等科時代に書かれた『動物たちの大切な命』『犬や猫と暮らす楽しみ』という作文、2022年の成年の記者会見で語られた盲導犬や聴導犬といった“働く動物”への思い……。こうした愛子さまの動物を慈しむお心は、那須での佐藤前園長との交流で育まれた部分もあると思います。

 

8月に愛子さまが名付けられた愛猫の『みー』が亡くなりました。愛子さまは両陛下と、安らかに旅立とうとするみーを献身的に看病されながら、看取られています。動物に深いご慈愛をもって接するなさりようは、幼いころから接してきた佐藤さんの姿勢からも学ばれ、自然と身に付けられたものなのでしょう」(前出・宮内庁関係者)

 

動物たちを最期の一瞬まで愛し続けるという愛子さまのご姿勢を育んでくれた恩人との別れ。追悼と感謝の気持ちを抱かれて、愛子さまは那須の地へ旅立たれる。

 

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