佐賀空港の敷地内のあちこちから上がる歓声。天皇陛下と雅子さまは、優しいほほ笑みを向けられながら、地元の幼稚園児など、奉迎する人々に手を振られていた。10月5日と6日、両陛下は第78回国民スポーツ大会へのご出席などのために佐賀県を訪問された。それは、雅子さまにとって、“超多忙な秋”という正念場への挑戦がはじまったことを意味する。
来週14日と15日には、国民文化祭などの開会式に出席するため、岐阜県を訪問される。2週連続で地方でのご公務が控えているのだ。その過酷ぶりについて、宮内庁関係者はこう話す。
「佐賀県と岐阜県のどちらのご訪問も、1泊2日とはいえ、地方ご訪問は分刻みでのスケジュールで進みます。その後も園遊会や秋の叙勲、11月には全国豊かな海づくり大会など、大きな行事が目白押しで、雅子さまの心身にも大変なご負担がかかるはずです。
最近は、ご公務の合間に手つかずの自然が広がる皇居の吹上御苑を散歩して気分転換しつつ、準備を進められてきました」
そして日々日本赤十字社でのお仕事や皇族のおつとめに臨まれる愛子さまのお姿に励まされるほかにも、雅子さまが原動力とされているのは……。
「めざましいご成長ぶりを見せられる愛子さまに、雅子さまも大いに勇気づけられているそうです。
そして何よりも、足を運ばれる先々で交流される多くの国民に温かく迎えられていることが、雅子さまの原動力となっているように感じます。だからこそ、“陛下と一緒に国民の前に”というお気持ちで、行幸啓の日程に合わせて体調管理を徹底されているのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
英国ご訪問後、雅子さまのご体調をめぐって“お疲れのご様子”などとも報じられたが、精神科医の香山リカさんによれば、好転の兆しが感じ取れるという。
「夏ごろよりもご体調がよくなられているようにお見受けしています。9月中旬の那須ご静養では、天皇ご一家が奉迎の方々と交流される際、非常に楽しそうなご様子でした。雅子さまも国民との交流を大切になさっていますし、こうしたご体験を少しずつ重ねられることは、ご体調にもプラスの影響があるといえます。
さらには、出席を予定する行事で、事前に雅子さまのご出席を強調しなかったり、“ご体調次第で”とアナウンスすることが定着していますが、これも雅子さまのご緊張を和らげることにつながっていると思います。
適応障害などの方は、予定を固めすぎないことで、リラックスして行動できるようになることが多いです。天皇陛下や愛子さま、周囲のサポートや理解を得ながら一つずつ課題をクリアされることで、雅子さまがお感じになる自信も大きくなっていくのです」
国民の笑顔で乗り切る正念場。その先で、雅子さまのほほ笑みもさらに光り輝く。
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