■悠仁さまと会えるルートを選ばれて…
そして実は、上皇さまが悠仁さまの帝王教育に熱意を示されていると、前出の宮内庁関係者は話す。
「上皇さまは、日常的に天皇としての父の姿を見て育った親王が即位するという近代の皇位継承と異なった形となることに、一抹の不安を抱かれていたようにもお見受けしています。
約10年前、親しい人に『これからは悠仁の帝王教育を進めなければならない』と語られていたと聞いたことがあります。秋篠宮さまも平成時代、よく悠仁さまを御所にお連れすることもあったと聞いています。
近年の上皇さまは、赤坂御用地でトンボの採集をしている悠仁さまと会うようなルートを、意識的に選んで散策なされていたそうです。お子さま方にもなさっていたように、悠仁さまに対しても、天皇としてのあるべき姿を教え示したいとお考えなのでしょう」
だが、異例の奮起をなされているという上皇さまは91歳。88歳のお誕生日を迎えられた際、上皇職が公表した文書に、
《時折お歳相応にお忘れになったり、ご記憶が不確かになられる》
という記述があったように、高齢のため、現実的に難しい側面もある。しかし第一に、悠仁さまご自身のご努力が欠かせないと、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは語る。
「現代は、皇室だけではなく、日本社会や世界全体が大きく変わる激動の時代です。まずは悠仁さまが、天皇陛下や上皇さまのなさりよう、歴代天皇の考えや事績を自ら学んでいく心構えを持たれることが大切でしょう。
さらには、意識的になさりようを取り入れていくため、悠仁さまが天皇陛下のおそばにいる時間を設けていく努力も欠かせないとも思います」
皇居・宮殿前の広場で静かに、皇室の方々と国民の心の交流を見つめられていた悠仁さま。前出の江森さんはこう続ける。
「悠仁さまが上皇ご夫妻に会われることも大切ですが、天皇皇后両陛下とお会いになって、お話を聞く機会を増やしていただきたいと思います。
天皇陛下も今年のお誕生日会見で、悠仁さまのご成長を『頼もしく思います』と語られています。遠慮や緊張なさることなく、公的なご活動や国際親善での思い出を悠仁さまがお尋ねになれば、きっと陛下も親切に教えてくださるでしょう」
約250年という悠久の時を経て、困難な帝王修行と向き合われる悠仁さまの、試練の日々が始まる。
