■いまだ容易ではない復興への道程に……
高齢者も多いことから、震災後は避難所や仮設住宅での生活で、孤立する被災者が少なくない。同団体の湯澤実柚さん(19)は、孤立した人々に寄り添う傾聴活動を行ってきた学生の一人だ。
「活動を始めた当初、被災した方々の参加は多くはありませんでしたが、半年ほどたつと、毎回10人を超える方々が楽しみに待っていてくださるようになりました。被災に関わることだけでなく、時には即席の“スマホ教室”を開いたりして、みなさんの話に耳を傾ける活動を続けています」
発生から約1年半。各自治体の社会福祉協議会が窓口となったボランティアの受け入れは、今後縮小されていく見通しだという。だが現地の復旧作業に関わる建設会社の経営者はこう明かす。
「被災した住宅の解体は進んでいても、和倉温泉などにある大きい建物は被災したままになっていたり、道路などのインフラの復旧も十分とは言えません。まだまだ能登半島の復興には時間を要するでしょうし、ボランティアを必要とする人々も少なくなったわけではないのです」
前出の原田さんは続ける。
「いま二次避難されている方々にとっては、故郷の能登に戻るか戻らないのか、難しい選択をする段階に差しかかっています。地元大学というアドバンテージもありますし、今後も継続したボランティア活動を続けていきます。
そして愛子さまには今後とも、少しでも被災地のことに関心を寄せていただき、折にふれて言及していただけるとありがたいと思っています」
ようやく訪れることのできる能登の地で、愛子さまは“若者の力”を結集する悲願を立て、復興に向けて全身全霊を捧げられていく――。
画像ページ >【写真あり】シンガポール館を視察される愛子さま(他28枚)
