「那須御用邸附属邸に滞在されていた天皇ご一家が、7月23日に帰京されました。その後に、上皇さまと美智子さまも那須にいらっしゃると聞いていたのです。しかし、そのご静養がお取りやめになったと聞きました。やはり上皇さまのご体調が思わしくないのでしょうか。“皇室ゆかりの地”に住む私どもとしても、とても心配しています」
そう語るのは、那須御用邸の付近の住民だ。
上皇さまの今年2度目の入院により、宮内庁内外に衝撃が走った。皇室担当記者はこう語る。
「上皇さまは’12年に心臓の冠動脈バイパス手術を受けられました。それから10年以上がたち、上皇さまもお年を召され、再びご不調があらわれているのです。
’22年に右心不全と診断されて、薬を服用されてきました。そして今年5月には東京大学医学部附属病院に検査入院されたのです」
診断結果は「無症候性心筋虚血」だった。自覚症状はないものの、一定以上の運動負荷で心臓の筋肉への血流が不十分となる症状だ。
皇室担当記者が続ける。
「今回のご入院は、7月14日から18日まで。心筋虚血などの症状が十分に改善しなかったため、内服薬を追加するためでした。さらにこの際、新たに『上室性不整脈』も確認されたのです」
この「上室性不整脈」について日本循環器学会専門医で、桂川さいとう内科循環器クリニックの齋藤成達院長はこう解説する。
「おそらく『上室性期外収縮』と思われます。心臓の上部にある心房から、本来の脈拍よりも早く電気信号が発生し、不整脈が起こるのです。こうした心不全の治療については、β遮断薬が用いられることが一般的です。β遮断薬は心拍数を下げ、心臓の収縮を和らげる薬です。これにより心臓の負担を軽減することができます」
5月から続く上皇さまの心臓の危機……。前出の皇室担当記者によれば、
「上皇さまは筋力の低下を防ぐために毎日、階段昇降を行っていましたが、いまは止められています。最近は猛暑ということもあり、外出も控えられていました。今夏は、那須と軽井沢でのご静養が検討されていましたが、那須だけではなく、軽井沢もお取りやめになる可能性があります」
上皇ご夫妻は軽井沢では例年、大日向開拓地を散策されている。
「大日向開拓地は戦前に旧満州に移り住み、戦後の混乱や迫害を耐え抜いて引き揚げてきた人々が切り開いた場所で、上皇ご夫妻はずっと交流を続けられているのです。戦後80年の節目に、訪れることが叶わなければ、残念に思われることでしょう。
幸いなことに上皇さまは、お食事やご睡眠などは以前とお変わりにならないそうです。むしろ美智子さまのご睡眠のほうを憂慮しています。美智子さまは7月14日からの上皇さまご入院中は、毎日お見舞いのために東大病院を訪れられていました。さらに退院後は、上皇さまの不整脈のことを心配され、夜中もご様子をうかがっていらっしゃるため、睡眠時間がかなり少なくなっているとも伺っています」(前出・皇室担当記者)
上皇さまをお守りすることを、至上の使命とされてきた美智子さま。小学生時代からのご友人の田中せつ子さんは、そんなお姿に励まされているという。
