■徹底され続ける“被災地に寄り添う”使命
両陛下はじめ皇族方の定例のご公務は、さまざまな要素を加味して慎重に選ばれている。
今回の決定には、愛子さまご本人と侍従職の奮闘もあったという。
「皇室の方々のご公務は、それぞれの行事日程が重ならないようにするなど、配慮のうえで進められています。かつ内容が国民的な関心や時代性に即したものであり、さらには両陛下がその意義を認められるものでなければなりません。
以前から侍従職の側近たちは、“皇女にふさわしい生涯のご公務の実現を”と、5月に臨まれた世界災害救急医学会をはじめ、愛子さまの問題意識にも沿った趣意がある行事を探し続けてきたのです。
また愛子さまも、水の問題を通じて治水にお詳しい天皇陛下、国交省出身の幹部たちとも、『ぼうさいこくたい』について相談を重ねられていたようでした。今回ようやく定期的に参加される行事が決まり、宮内庁幹部も一様に安堵していました」(前出・皇室担当記者)
愛子さまは2022年の成年に際しての記者会見で、
「国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております。『国民と苦楽を共にする』ということの一つには、皇室の皆様の御活動を拝見しておりますと、『被災地に心を寄せ続ける』ということであるように思われます」
と述べられている。
大地震や津波、各地での豪雨による土砂災害や水害という日本で頻発する自然災害。その猛威に直面し苦しむ人々が生まれないようにすること、不幸にも被災した人々がいれば、心を寄せ、救いの手を差し伸べていくこと……そうしたなさりようを、愛子さまは上皇ご夫妻、両陛下から受け継ぎ、育まれてきたのだ。前出の宮内庁関係者はこう続ける。
「毎年9月1日の『防災の日』には、宮内庁は全庁を挙げて防災訓練を行います。御所では両陛下も加わられ、避難訓練も実施されています。“災害の発生を防ぐことは難しくとも、人々の努力で被害を減らすことはできる”というお考えを、上皇ご夫妻はことあるごとに訴えておられました。こうしたご姿勢が受け継がれているからこそ、愛子さまの一貫した行動指針が育まれたのです。
新潟での『ぼうさいこくたい』を端緒とし、命を守る行動の大切さ、災害の経験や教訓、被災時に支え合う取り組み……国民に強く広く呼びかけていくことが生涯の使命であると、いま愛子さまは覚悟を固められているのでしょう」
国民の生命を守るため……使命に覚醒した愛子さまのお声は、闇に包まれる被災者の心に、希望の光を灯すことだろう。
画像ページ >【写真あり】那須どうぶつ王国で楽しまれる愛子さまの後方で、見守るような表情を浮かべる造船会社の“プリンス”(他18枚)
