■ラオスを魅了した勤勉さと優しさ
愛子さまがラオスの民族衣装をお召しになっていたことには、冨永さんも心を動かされたという。
「私は縫製の職業訓練に関わってきましたので、愛子さまがご訪問中2度もラオスの民族衣装を着てくださったことに感動しました。
スア(ブラウス)、シン(スカート)、パービアン(肩掛け)という伝統的な衣装をお召しになったお心遣いで、ラオスの人々も愛子さまの魅力の虜になったと思います。近年、ラオス社会は中国の影響がものすごくて、街中では中国語をよく見かけます。
愛子さまのご訪問は国内でも大変な注目を集めましたし、ご訪問を機に日本文化の人気も爆発するように高まっていくでしょうね」
ご訪問を機に、ラオスで“日本ブーム”を巻き起こされた愛子さま。皇室の一員として、立場の弱い人々に寄り添うご姿勢を鮮明にされた一幕もあった。古都・ルアンパバーンで、「ラオ・フレンズ小児病院」を視察されたときのことだ。同院は認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」が設立・運営している。代表で看護師の赤尾和美さん(62)はこう振り返る。
「病院のマスコットであるゾウの『ジャイディ』を、愛子さまにお贈りしています。ラオス語で“ジャイ”は心、“ディ”は優しいという意味です。そんなスタッフを育て、医療を提供できる病院を作るという、当院が目指す理想の象徴であると愛子さまにお伝えすると、『そんな意味があるのですね!』とおっしゃっていました。
愛子さまはしばらくジャイディをお持ちになったまま、院内をご覧になっていました。スタッフ全員が緊張してお迎えしましたが、その優しいお人柄でホッとした心地がします。短い時間でしたが、ラオスの小児医療の現場で起きている現実に興味を持ってくださり、またラオ・フレンズ小児病院が目指すことに深くご理解いただけたように感じています」
