■皇室典範改正に関する議論についても“苦言”を……
秋篠宮さまの“苦言”は、もう一つある。皇族数確保に向けた皇室典範改正に関する議論が国会で進んでいることに対して、昨年の記者会見では“皇族は生身の人間”であり、宮内庁が当事者の考えを知っておく必要があると述べられているが、60歳のお誕生日に際した記者会見でも同様の内容を言及された。
「生身の人間、皇族も生身の人間であるということは、私は今でもそのとおりだと思っておりますし、ただ、去年、この生身の人間の話をして以降、何か目に見える変化があったかというと、それはないと思います。ただ、私の受けている印象では、宮内庁の然るべき人たちは、そのことを真摯に受け止めてくれているというふうに思っています」
国会での議論は’22年から始まったが、与野党の間で意見が平行線をたどったままで、結論がまとまる見通しすら立てていない。これまで、女性皇族が結婚後も皇族の身分も保持する案、旧宮家出身の男系男子が養子として皇籍への復帰を可能にする案の2案を軸に議論が進んでいたが……。
「主要2案の中で“女性皇族の身分保持案”は各党の意見はおおむね一致していましたが、女性皇族の配偶者と子も皇族とするか否かでは一致していません。また“養子縁組案”については、賛否そのものが分かれたままです。
今年の通常国会でもまとまらず、額賀福志郎衆議院議長は秋の臨時国会で結論を得ることを目標に据えていましたが、それすらも見送る方向で調整に入っています。来年の通常国会で結論が出るのかも不透明なままなのです。
“目に見える変化がない”“宮内庁の然るべき人たちは真摯に受け止めてくれている”という秋篠宮さまのご発言からは、政界の議論に危機感がないことへの警鐘とも取れましたし、その点に関して言えば宮内庁内でも一定のコンセンサスが出来上がっているのではないかとも思っています」(宮内庁関係者)
そして、公的な活動の担い手が減ることについては、「その状況を変えるのは、今のシステムではできません。いかんともし難いことだと思います。やはり、全体的な公的な活動の規模を縮小するしか、今はないのではないかと思います」と述べられていた秋篠宮さま。前出の宮内庁関係者はこう続ける。
「秋篠宮さまのお誕生日に際した記者会見の内容が公表された翌日12月1日、宮内庁の黒田武一郎次長も記者会見で、『分担の見直しや全体的な公務の規模の縮小はあり得る』と述べています。
さらに国会での議論が進むことを求めつつ、『今後本格的に公的なご活動を担われることが期待される方もおられる。それぞれのご公務について皇室の方々のお考えをうかがいながら検討していく必要がある』と、今後の方針について示しました。
愛子さま、悠仁さまが今後成年皇族としてのご公務を本格的に担われていきます。次世代を担う皇族方が、安定してご活動を行われることができる環境を守っていくためにも、秋篠宮さまのご発言は大きな意味があったと考えています。一日でも早く議論が進んでいくことは、皇室のみならず宮内庁の総意でもあるといえるでしょう」
秋篠宮さまの“2つの苦言”が、よりよい皇室の未来を作ることに結び付いてほしいものだ。
画像ページ >【写真あり】小室さん夫妻に対しての距離感が異なる秋篠宮さまと紀子さま(他9枚)
