官邸に入る高市首相(写真:共同通信・2026年2月10日) 画像を見る

「今回も、熱心に耳を傾けていらしたそうです」

 

こう話すのは天皇ご一家に近い宮内庁関係者だ。2月10日、天皇陛下と雅子さまは、外務省の有馬裕・総合外交政策局長からご進講を受けられていた。

 

「令和となってから、定例の総合外交政策局長による天皇陛下へのご進講に、雅子さまは毎回のように同席されています。外交官を志されていたことも大きいのでしょう。雅子さまは常に世界に目を向け、日本や皇室がどの分野に、どう貢献できるのか、常日ごろからお考えになっているのです」(前出・宮内庁関係者)

 

ウクライナの戦火、緊迫する中東情勢、そして台湾海峡の緊張……。激動する世界で、2月8日、日本政治の風景が一変した。

 

高市早苗首相が初めて臨んだ総選挙は、定数465議席のうち、自民党が単独で316議席を獲得するという結果となった。一つの政党が衆院で3分の2を超えるのは戦後初。SNS上でも“バズり”続けた高市首相が前面に立った選挙戦で、自民党は空前の勝利を収めたのだった。自民党関係者はこう振り返る。

 

「日本維新の会と合わせ、与党会派は衆院352議席。与党が過半数を割る参院で法案が否決されても、衆院で再可決できますし、憲法改正の発議も視野に入ります。なによりも、この勝利は高市総理の高支持率が原動力でした。これで政府・自民党内に総理に意見できる存在はいなくなります。高市総理は、安倍政権以来の『1強』体制を手にしたのです」

 

総選挙後には、内閣総理大臣指名選挙などを行う特別国会を召集することが憲法で定められており、2月18日に高市首相が再度指名される予定だ。だがその力を背景に高市首相は、特別国会の召集日を巡って、政府・与党関係者が混乱する意向を示していたという。

 

「もともと、特別国会の召集は総選挙の投開票日から10日以上空ける慣例もあり、2月18日を軸に調整が進められていました。一部の新聞・通信社も報じていますが、じつは18日と召集日が決まった後になって、高市総理や側近から、“2日早めて、16日にできないか”という要請が出されていたのです。

 

国会日程は、首相官邸、国会の議院運営委員会、与野党の国会対策委員会の間で調整されるのですが、第一に宮内庁を通じて確認されるのが、天皇陛下のご予定です。これは国会を召集するのは天皇の国事行為と定められており、陛下がいらっしゃらないと国会が開けないからです。

 

総理は令和8年度予算の審議を早めたかったのでしょうが、政府、各党各会派、宮内庁とも調整した日程であり、“いまさら変えられない”という声だけでなく、“陛下のご都合を軽んじている”という声も上がったのです」(前出・自民党関係者)

 

陛下のご予定すら軽視するかのような高市首相の強権ぶり。政治ジャーナリストの角谷浩一さんは次のように話す。

 

「そもそも“召集日前倒し”が報じられること自体、高市首相に対する周囲の困惑ぶりを如実に表している証左だと思います。

 

政権発足後、高市首相は周りに相談せずに一人で決断してしまう傾向が強いと言われており、召集の“2日前倒し”も関係各所に一切相談せずに言い出したとも聞きます。どのような問題も独断で決めてしまう姿勢を変えないようなら、自民党内にも違和感を覚える人が今後増えていくでしょう」

 

誰も止められないほど強まった高市首相の指導力は、停滞していた皇族数の確保策を巡る国会の議論にも影響を及ぼすという。

 

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