■26年前は物々しい雰囲気のなかで拝礼を
上皇ご夫妻の供花は、武装した兵士たちがデモや暴動に備えて周辺で目を光らせる物々しい雰囲気のなかで行われた。
ベアトリクス前女王が付き添っていたが、これは異例のことで、上皇ご夫妻のオランダご訪問を成功させようと前女王自らが提案したという。
「この供花の数時間後に、同じ場所で元捕虜や遺族による抗議活動が行われたことは、日本ではあまり報じられませんでした」(前出・君塚さん)
供花で上皇ご夫妻は、1分以上も頭を下げて黙祷された。そうしたお姿や、上皇さまの被害者たちを思いやる晩餐会でのスピーチなどにより、オランダ国民の反日感情はある程度和らいだのだ。
それから26年、天皇陛下と雅子さまは、日本とオランダの友好のために、“さらなる一歩”を進めることをお考えだという。
「両陛下はハーグにも足を運ばれる方向で調整が進められています。そして両陛下は、上皇ご夫妻が果たせなかったハーグでの拝礼を望まれていると伺っています。日本が引き起こした痛ましい戦争の記憶とも、向き合われようとしているのです」(前出・宮内庁関係者)
4月29日に挙行された「昭和100年記念式典」に両陛下が臨席されたのち、宮内庁は次のようなお考えを公表している。
「両陛下は歴史から謙虚に学び、終戦以来人々のたゆみない努力により築き上げられた平和を守るために必要なことを考え、将来へとつなげる努力を続けることが大切との思いで式典に臨まれていた」
天皇陛下と雅子さまは“たとえ悲劇的な歴史であっても目を背けずに真摯に向き合い、将来の平和のために努力を続ける”ことを宣言されたのだ。
前出の君塚さんもこう話す。
「欧州ご訪問に向けて、オランダの元捕虜や遺族団体などとの話し合いが持たれていると思います。大きな反発がなければ、ハーグでのご供花も実現するのではないでしょうか。
オランダでは議会も訪れられるそうですが、陛下に戦争を振り返り、平和を訴えられるスピーチをしていただければ素晴らしいことです」
ご出発まで、あと3週間ほど。天皇陛下と雅子さまは、“平和を希求する旅”への準備を続けられている。
画像ページ >【写真あり】’00年、暴動やデモが警戒されるなか、アムステルダムで黙祷された上皇ご夫妻(他17枚)
