政府は7月24日に改正皇室典範を公布した。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持できることや、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える制度が皇室典範に盛り込まれた。
一方で、メディア各社の世論調査で容認の声が根強い「女性天皇」については、7月27日に開かれた衆院予算委員会の閉会中審査で、高市早苗首相が「女性・女系天皇や皇位継承権のあり方を議論する新たな有識者会議の設置はただちに行う考えはない」と発言した。
自民党や保守派が「男系による皇位継承の維持」を重視するが、一連の改正や“男系男子派”の考え方に対しては、海外では「なぜ女性は天皇になれないのか」という疑問とともに報じられているのだ。皇室担当記者はこう話す。
「まずアメリカのCNNは『皇族の数が足りない日本、女性天皇はなぜ認められないのか』と題した特集記事を発信しています。皇族数の減少という課題を抱えながらも、女性天皇を認めない日本の制度について、その歴史的背景や政治的議論を詳しく伝えています。
ニューヨークに本部を置くAP通信は昨年、『愛子さまの人気が、日本の男子のみの王位継承法の改正を求める声につながっている』と報じ、国内世論の変化や、世論調査では女性天皇への支持が多数を占める一方、制度改正には至っていない現状を報じたこともありました。
また英国のBBCは『日本、皇位継承の規定を緩める 女性天皇を認めないことは変わらず』と報道。制度改革が行われた一方で、皇位継承資格が男性に限定されたままであることを大きく伝えていました」
欧州では、次世代の王位継承者は女性が多い。ベルギーのエリザベート王女、オランダのカタリナ=アマリア王女、スペインのレオノール王女、スウェーデンのヴィクトリア王太子などは、すでに公務を通じて国民からの支持も多く得ているプリンセスたちだ。そうした国々ではいっそう、日本の男性のみに限った皇位継承のあり方に対し、違和感を抱く人が多いようだ。
「ベルギーのオランダ語圏の日刊紙HLNは、将来女王となるエリザベート王女を引き合いに、『女性が王位に就くことは当然となったヨーロッパから見ると、日本の制度は理解しにくい』と伝えています。
さらにドイツ語圏の有力紙NZZは、日本の改正皇室典範について『女性天皇は実現しなかった』と報道。変更が皇族数の確保という目的だけにとどまり、女性への皇位継承資格付与には踏み込まなかった点を特徴として取り上げていました」(前出・皇室担当記者)
各国の人々が抱く疑問は、国連からも……。皇室典範の改正案が参院で成立した7月17日のことだ。
「この日、ハク事務総長副報道官は定例記者会見で、日本の皇室典範改正に対して『すべての国に対し、あらゆる地位や職業において女性の権利向上につながる包摂的な政策を奨励する』とのグテレス事務総長の見解を示したのです。
2024年には国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が、女性皇族による皇位継承を認めていない日本の皇室典範について『男女平等の保証』を求めて改正を勧告しています。日本政府は『国の基本に関わる事項だ』と強く抗議を行いました。
欧州王室では直系長子優先での王位継承が一般化されつつあります。また政治や経済、さまざまな分野で女性のリーダーが当たり前となっている国が多いなかで、日本の皇位継承のあり方が国際社会から見ても異質に見えるのは無理もないのかもしれません」(外務省担当記者)
日本と世界のギャップが埋まる日は、果たして来るのだろうか――。
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