■ご静養の中止をすぐさま決断されて
すぐさま、両陛下と愛子さまはお気持ちを形にされていた。
「まず発生翌日に天皇ご一家や皇族方が出席を予定されていた皇居・東御苑の桃華楽堂での絲竹会による雅楽演奏会の開催を延期されました。
また、8月3日からご一家で予定されていた須崎御用邸での静養も取りやめられたのです。先日那須で静養されましたが、9月には愛知県で開催されるアジア競技大会開会式へのご出席や、春に延期された岩手・宮城両県ご訪問も予定されており、側近も“休めるときに休まれてほしい”と進言していたそうなのです。
しかし天皇陛下と雅子さまは、被災や暑さで苦しむ人々や、懸命に作業にあたっている関係者がいる以上、“東京で熊本の被災地の状況を注視したい”というお気持ちがあり、地震発生の翌日には取りやめの方針を示されたと聞いています」(前出・宮内庁関係者)
須崎ご静養を中止された緊急のご決断――。
もとより両陛下は、9月29日と30日に熊本県を訪れ、’16年の熊本地震の被災地の復興状況を視察される予定だった。
皇室担当記者によれば、即位後初めてとなるはずの同県への訪問には、両陛下も並々ならぬ思いを抱かれていたという。
「令和となり、コロナ禍が世界を覆いました。熊本では’20年7月の豪雨災害などもあり、直接被災した人々を見舞い、励ましたいという雅子さまの願いもかなわない期間が続いたのです。
直接お会いできないために、’21年1月にはオンライン行幸啓の形で被災者と懇談されていますが、やはりご自身で足を運び、お言葉をかけたいお気持ちが強かったようにお見受けしています」
お二人でのご訪問は’99年以来となるだけに、人々との再会が大地震の被害の後という悲しむべき状況となってしまったが――。
長年皇室番組を手がける放送作家・つげのり子さんはこう話す。
「これから新たに歩んでいこうというところで再び大きな地震が起き、被災地では心が折れそうになっている方々が大勢いらっしゃるはずです。
もともとのご予定としては、発生から10年の節目に、熊本県の復興状況をご覧になる訪問でした。今回の地震を受け、急きょ被災地のお見舞いという形に変更される可能性も大いにあるでしょう。
両陛下も、一日も早く被災地を訪れ、人々を励まされたいという思いを強く抱かれているようにお見受けします。インフラがある程度復旧した段階で、ご日程を前倒しでお見舞いに赴かれることも十分あると思います」
何よりも両陛下は“訪問が被災者を救うことにつながれば”というお心も固くお持ちになっている。
名古屋大学大学院教授の河西秀哉さんはこう指摘する。
「天皇ご一家による被災地の訪問は、人々に寄り添うご姿勢が報道を通じて国民の関心を広げ、災害の記録や記憶の風化を防ぐ重要な役割を果たしています。
もし9月末のお見舞いが実現すれば、もともとご予定がありましたが、『国民と苦楽を共にする』という皇室の基本的なあり方を体現される訪問となるでしょう」
