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年明けからしばらく寒い日が続いたものの、寒さが緩む日もあり、そこでスギ花粉が一気に飛ぶ。スギとヒノキの花粉の量は昨年の1.8倍に上り、このうち症状が顕著に出る目安になる、花粉の飛散量が多い日は平均30日になる見通し。

 

「テレワークが奨励され外出する機会が減ったので、花粉症の症状は例年より出ないのでは? と思う人も多いでしょうが、意外な盲点があります。換気のために窓を開けますが、その際に花粉が室内に入ってくることが考えられます。花粉症の症状が出やすい人は室内でもマスクをしたほうがいいでしょう。また、外出時にメガネをかけない、帽子をかぶらない人も多く、目や髪の毛に花粉がついて、触った手で鼻や口から吸い込む、ということも考えられます。外出するときはマスクにメガネ、帽子をかぶることを忘れずに」

 

そう話すのは、たなか耳鼻咽喉科の田中伸明院長。花粉によるアレルギー反応は、吸い込んですぐに症状が出る「即時反応」と、半日ぐらいたって出る「遅発反応」がある。

 

起床後にくしゃみ、鼻づまりなどの症状があらわれる「モーニングアタック」は、布団や床に落ちた花粉が朝の活動とともに舞い始めることや、遅発反応などによって引き起こされる。

 

「花粉症の治療も選択肢が広がってきました。投薬治療は、副作用の少ない抗ヒスタミン薬、ステロイド鼻噴霧薬などがあります。アレルギーの原因となる物質を体内に投与して体を慣らし、体質を改善する治療法の『舌下免疫療法』は、舌の下に薬を1分間置いてそのままの飲み込みます。6割の人は症状が和らいだという報告がありますが、治療を開始するのは前年の6月から12月までで花粉が飛び始めた時期からは治療ができません」

 

重篤化した人向けには、’19年に保険適用になったIgE抗体製剤「ゾレア」を皮下注射する選択肢もあるが、薬剤が高額で、1回の接種で3割の自己負担でも数万円ほどかかるという。

 

「女性自身」2021年2月23日号 掲載

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