■毎日の血圧測定で大事に至る前に対策を
【3】朝日を浴びて良質な睡眠
「睡眠中は成長ホルモンが分泌され、免疫力を高めます。また自律神経では副交感神経が優位になるために、血管が広がり、心拍数も下がります。十分に眠ることで、心臓を休ませることができるのです」(高沢さん)
良質な睡眠をとるためには、朝日を浴びることだ。
「朝日を浴びて14〜15時間後に、メラトニンというホルモンが分泌され、自然に眠ることができます」(伊賀瀬さん)
【4】41度以下で入浴
心臓や血管を健康に保つには、副交感神経を優位にして、リラックスすること。
「そのため入浴は有意。シャワーだけで済まさず、湯船につかってください。私たちと京都大学の共同研究では、週5回以上入浴する人は、4回以下の人に比べて血管年齢が若いという結果でした。ただ、お湯の温度は42度以上になると交感神経が刺激されることがあるので、41度以下にするのがおすすめです」(伊賀瀬さん)
【5】「吐く」を意識した呼吸
イライラしたりストレスを抱えると血圧が上がり、血管や心臓に負担をかけてしまう。
「深呼吸をすることで副交感神経の働きを強め、リラックスモードに切り替えられることが期待できます。腹式呼吸を意識して、1・2・3・4と鼻から息を吸い、5・6・7・8・9・10と口からゆっくり息を出す。吸う時間より吐く時間を長くして呼吸するのがコツです」(伊賀瀬さん)
【6】血圧測定+健康診断
なにより、日常の血圧を把握しておくのは大前提。
「5千円ほどなので、血圧計を1台買っておきましょう。上腕で測定するタイプが無難です。また1年に一度は健康診断を受けましょう。血圧の上が140以上、悪玉コレステロール値(LDL)が140以上、血糖値の指標となるHbA1cの値が6.5%以上、喫煙者の4項目で1つでも当てはまれば心臓病のリスクが高まるので、要注意です」(高沢さん)
大動脈解離は、更年期を迎えた女性こそ気をつけなくてはならない病気。突然死を防ぐためにも、健康な血管を維持する生活習慣を身につけよう。