■ワクチン接種の機会は年代によって逃していることも
【10】日本脳炎〈感染度・C、危険度・A〉
感染しても発症するのはわずかだが、ひとたび発症すると後遺症が残ったり、死亡する確率が高い。
「1歳以上で予防接種をするので1歳未満の乳児で感染するケースがあります。2015年には千葉県で日本脳炎患者が発生。日本脳炎ワクチン接種前の10カ月の男児で、重度の四肢麻痺が残ったそうです」
日本脳炎のウイルスは、豚が持っており、蚊を媒介にして人に感染。全国的に定期接種されているが、媒介する蚊が少ない北海道で定期接種が始まったのは、2016年から。また、1995年度から2006年度までに生まれた人はワクチン接種の機会を逃しているなど年代によって異なる可能性があるので、母子健康手帳などで確認しておこう。
【11】肺炎球菌〈感染度・C、危険度・A〉
「肺炎を起こす菌です。高齢者の場合、肺炎は死に至るので要注意。重症化した場合、20%が死に至るともいわれています。患者の約70%が65歳以上といわれています。肺炎球菌ワクチン(65歳以上は一部自己負担あり)の高齢者の接種率は2014~2018年度で32.4~38.3%、2019年度で13.7%、2020年度で15.8%と低迷しています」
【12】デング熱〈感染度・B、危険度・C〉
東南アジアや南米などではポピュラーな感染症で、ネッタイシマカなど日本にもいる蚊が媒介。2014年には70年ぶりに国内で感染者が確認された。
「日本は冬に蚊がいなくなるので流行しませんでしたが、今後、温暖化によって流行する可能性も」
ワクチン接種や抗体検査を視野に入れ、日常的には手をよく洗い、飛沫感染を防ぐため人混みではマスクを着用するなどして予防することが大切だ。