猛暑が続くこの季節。風物詩となっているのは、背筋がゾクゾクするような怪談話。でも“怖い話”に登場する妖怪たちも時代とともに変化してきているよう。そこで、その生態をまとめた最新版“妖怪事典”をお届け!
「都市化で街が明るくなり、暗闇を好む妖怪がすみにくくなったのではないかといわれます。いいえ、街だけが妖怪の生息地ではありません。じつはここ10年、IT機器やインターネットの闇に出没する“IT妖怪”が急増。出没場所を変え、息づいているんです」
こう話すのは、昨年末に長年、個人で収集した資料を『日本現代怪異事典』(笠間書院)として出版した朝里樹さん。朝里さんは新進気鋭の妖怪伝説収集家。なんとこの本は戦後から今日まで世間を騒がせた妖怪譚1092項目を収録して話題になっている。
寝苦しい宵、そんなIT妖怪の世界に、あなたをご招待。
■Siriに問いかけると現れる謎の生命体!「ゾルタクスゼイアン」
【生息地】
音声認識のソフトウェア。
【目撃情報】
アップル社のiOS向け秘書機能アプリの「Siri」に対し、利用者が「ゾルタクスゼイアン」と問いかけると現れるという謎の惑星の住人。「Siri」が「じつはこの間、ゾルタクスゼイアンの住人から地球人はいますかと聞かれたばかりなんですよ」と答えを返してくるケースも報告されている。マイクロソフト社の音声アシスタント機能「Cortana」に「ゾルタクスゼイアン」と問いかけた場合も同様の返答が返ってくることがあり、音声認識ソフトの世界に共通して住む有機生命体もしくは人工知能の秘密結社と考えられている。
【得意技】
人の問いかけを巧みにはぐらかし、正体を明かさない。
【対処法】
何度も呼び出すうちに命を狙われる可能性があるので、面白がって何度も呼び出さないこと。
「最近普及しつつある音声認識ソフト、アップル社のSiriにまつわる『ゾルタクスゼイアン』という異星人。Siriにその名を問いかけると『異星人の私に用ですか?』と答えたという体験談が世界中で語られています」(朝里さん)