■60~74歳で気を付けたい病気とお金のリスク
次に紹介する60〜74歳までの注意点をもとに、人生後半戦に高まるリスクを把握し、病気とお金の両面から今すぐにでも対策を始めよう。
■60〜64歳
病気:糖尿病を発症するリスクが高い
お金:夫の収入がダウンする
■65〜69歳
病気:大腸がん・肺がんになる可能性が増大/骨粗しょう症になり脊柱管狭窄症の人が急増する【※1】
お金:年金受給開始【※2】
【※1】9万円の医療費が死ぬまで…健康寿命のカギは骨強化にあり
骨の強度が弱まる骨粗しょう症は、65歳以降から発症率が倍増する(厚生労働省「患者調査」より)。薬、ビタミンDなどのサプリの服用が不可欠となり、年間医療費は9万円ほど。
「症状が進行するとちょっとしたことで骨折したり、背骨の変形などで神経を圧迫する脊柱管狭窄症(手術費用は自己負担3割で20〜30万円)を引き起こしたりします」(室井さん)
カルシウムとビタミンDの意識的な摂取、運動で骨粗しょう症を防ぐのが健康寿命を延ばす第一歩。
【※2】夫の受給開始は68歳がおすすめ! 総額では80歳から得する計算
超々高齢社会では長生きリスクも考慮すべき。不労所得である年金は原則65歳から受給できるが、60〜70歳の間なら開始時期を選べる。「受給開始を1カ月先延ばしするごとに年金額は0.7%アップ。70歳まで延ばせば42%も受給額が増えます。平均寿命が長い女性は、ギリギリまで受給しないことが得策です」(横手さん)
’22年4月からは、75歳まで先延ばしが可能に。夫には70歳まで働いてもらうプランを練り、68歳になったときに、仕事を辞めるか働き続けるか決めてもらうのがいいようだ。
「68歳から年金受給を開始した場合、80歳以降は、60歳で受給するよりも得する計算に。認知症やフレイル予防のためにも、夫には仕事を少しでも長く続けてもらいましょう」(横手さん)