《まだ、当山の無病守りがネットなどで販売されているようです。お寺に直接ご連絡くだされば、郵送での対応を致しております。お守りの数に特に制限はしておりませんので、お問い合わせ頂ければ幸いです。お守り一体700円です。(画像変更、再投稿)》
9月21日、《お寺からのお知らせ》としてXでこう呼びかけたのは京都市下京区にある因幡堂(平等寺)の公式アカウント。投稿には、可愛らしい猫のデザインが施されたお守りの画像が添えられている。
平安時代より「がん封じ」で知られる古刹だが、お守りが転売されているというのだ。
実際に「メルカリ」で「因幡堂 お守り」と検索すると、1,000~1,900円の価格帯で取引されている猫のお守りがヒット。さらにインコや文鳥を模したお守りも出品されており、1,000円以上の価格が付けられていた。
幸運や厄除けなどを願うお守りが転売されていることに、SNSでは“罰当たり”と批判する声が上がっている。
《なんとも可愛いお守り。 にしても転売とは罰当たりな…》
《目端のきくって昔から言うけど、今どきはほんまさもしいな》
《お守りを転売するとかなんつー罰当たりもんなんだろう、そんな人のところへ行ってしまった、お守りが可哀想…》
いっぽう因幡堂では郵送対応でお守りを販売しているが、転売対策ということなのだろうか? 本誌は9月25日、因幡堂の住職に意図や経緯など話を聞いた(以下、カッコ内はすべて住職)。
まず住職によると、猫のお守りが転売される以前から、すでに御朱印帳などのアイテムがフリマサイトに出品されていたとのこと。その上で、郵送対応を導入したきっかけをこう語った。
「最初、予想以上に大勢の方がお守りをご購入しにお寺に来られ、その際に売り切れてしまったんです。再入荷するまでお待たせしてしまうのに、もう一回来て下さいと言うわけにはいきません。それで、郵送でも対応しますという形にさせていただいたんです」
当時は「一人3体まで」と購入制限を設けていたが、すぐに在庫がなくなってしまったとのこと。それでも希望する人の手に渡ってほしいとの思いで、お守りの在庫を増やしたという。
「安定的に販売できるよう業者さんにお願いしましたので、よっぽどのことがない限り数を制限することはいたしません。仮に『100個ください』と言われたら慌てますが、常識の範囲内で買われる分にはすぐに在庫切れにならないようにはなっております」