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(写真・神奈川新聞社)

13人が死亡、6千人以上が重軽傷を負ったオウム真理教による地下鉄サリン事件の発生21年を前に、被害者の会などが主催した集いが13日、都内で開かれた。死刑廃止などについて議論が交わされたほか、被害者の会が遺族らにインタビューした映像も流された。

事件で霞ケ関駅助役だった夫を亡くした同会代表世話人の高橋シズヱさん(69)らが「オウム事件で遺族や被害者が死刑の問題に直面する中、固執した意見だけではなく、広く考えるヒントになれば」と企画した。

集いでは7人の被害者、遺族の証言をもとにした28分間の映像を上映。取材した高橋さんは「自分が遺族なので忌憚(きたん)のない意見が聞けたが、今もオウムに恐怖を感じている人がいる」と振り返った。

映像で娘を失った母親は「(死刑執行の)ボタンを親として押したい。死刑がどうこうではない。身内がなってみないと分からない」と心情を吐露。しびれなどの被害を受けた男性は「確定死刑囚に会えるなら、なぜ一歩踏み出してしまったのかを聞きたい」と話していた。

その後、ジャーナリスト江川紹子さん、教団代表だった松本智津夫死刑囚=教祖で麻原彰晃=の弁護人も務めた小川原優之弁護士らが発言した。

小川原弁護士は「死刑については世論ではなく、公の冷静な議論が必要だ。再審の制度が十分ではない」などと、死刑がない社会を訴えた。江川さんは「多くの人は廃止に消極的で、運用などを議論するべき。死刑と無期の間の猶予付きの死刑などがあってもいい」と主張した。