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(写真・神奈川新聞社)

キノコの一種であるベッコウタケの寄生による倒木を防ごうと、横浜市が樹木医による街路樹の点検に取り組んでいる。2013年に倒木が車を直撃し、男性が重傷を負う事故が発生したことを受け、14年度から4カ年計画で腐りやすい樹木約2万8千本を対象に樹木診断をスタートさせた。市道路局の担当者は「キノコによる倒木の危険性は目視ではわかりにくい。専門医による診断で事故を防ぎたい」と話している。

同局によると、ベッコウタケはサルノコシカケ科のキノコ。緑化樹に発生する頻度が最も高い腐朽菌の一つとされる。元気な若い木には寄生せず枯れていたり弱っている木に寄生するといい、寄生されると幹の中が腐っていくが、外見に大きな変わりはない。同局の担当者は「ぱっと見では中が腐っているかどうか判別するのは難しい」と話す。

同市旭区内で13年10月、台風26号の強風でユリノキが根元から倒れ、停止していた乗用車が大破する事故が起きた。運転していた男性(66)は腰の骨を折り約5カ月の大けがを負った。

市は13年度、職員による一斉徒歩パトロールを実施していた。計約7500キロメートルの市道沿いの街路樹を目視点検。キノコが生えたり枝が道路にはみ出すなどしているケースが610件あり、はみ出た枝を伐採するなど対処する一方で、大きな異常が見られない場合は経過観察とした。

当該の樹木もそのうちの一つだった。土木事務所職員によりベッコウタケが確認されていたが、その後の造園業者による目視点検や打音点検などでは寄生や異常が確認されなかった。しかし、根の部分では腐朽が進んでいた。

事故を受け、市はベッコウタケが寄生した街路樹を発見した場合は原則、即座に撤去するよう方針を変更。中でもユリノキやサクラ類、ケヤキなどキノコが寄生しやすい8種類の樹木約2万8千本については14~17年度にかけて樹木医による診断を行い、予防保全に取り組むことを決めた。

14年度は約5300本を点検し、うち135本でキノコの寄生が確認できたため撤去。15年度は約7200本を点検したという。

市内での倒木事故の発生件数は13年度35件(人身1、物損3)、14年度9件(人身、物損ともに0)、15年度8件(物損1)と減少しており、そのうちベッコウタケの寄生が原因とみられるのは13、14年度の1件ずつだった。

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