(写真・神奈川新聞社)
海上保安庁横浜海上保安部は16日、点灯してから120周年を迎えた東京湾で最古の「横浜北水堤(きたすいてい)灯台」を報道関係者に公開した。灯台は最新の発光ダイオード(LED)灯器に更新されたが、構造物は明治期の姿を残しており、海上交通の安全を守り続けていた。
「赤灯台」と親しまれてきた北水堤灯台は高さ15メートルの赤い鉄塔型で4層構造。近代港湾の整備が進んだ1896(明治29)年5月16日に設置、点灯した。94年3月に竣工(しゅんこう)した鉄桟橋(大さん橋の前身)などに着岸する貨客船に向けて航路標識としての機能を果たしてきた。
当初は油を燃やす灯火だったが、ガスや電気で点灯した時代を経て、2009年にLED灯器を設置。横浜臨海部の開発が進みプレジャーボートなど多様な船が航行する中で灯台の機能は高められたが、明治期の構造は維持されてきた。
横浜海上保安部は「北水堤灯台は後世に継承すべき歴史的な財産。横浜港の安全を守る現役の灯台として保全していくのが私たちの使命だ」と話している。
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