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市日韓親善協の斎藤会長〔左から2人目〕らから要望を受ける福田市長中央=5月30日、市長室(写真・神奈川新聞社)

在日コリアンに対する差別や排斥、殺害までをあおるヘイトスピーチ(差別扇動表現)を繰り返している男性が新たなデモの開催を予告している問題で、川崎市は男性が集会とデモの集合場所として申請している公園の利用を認めないことを決め、男性に通知したと31日、発表した。市はヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、不当な差別的言動が行われる可能性が高いと判断。「市民の安全と尊厳を守るため」として、市都市公園条例に基づき決断した。

ヘイトスピーチは許されないと宣言する同法が5月24日に成立した後、ヘイトデモを巡る公園利用の不許可判断は全国初。他の自治体や警察などの行政機関の判断にも影響を与えそうだ。

男性は6月5日にデモを行うとインターネット上で告知し、川崎区内の二つの公園の利用を同区道路公園センターに申請していた。市は30日に決定を電話で伝えるとともに簡易書留を速達で送付した。

男性は2013年5月から川崎駅前を中心に11回のヘイトデモを主催してきた。市は昨年11月と今年1月の直近2回、在日コリアンが多く暮らす川崎区桜本地区を標的にしたデモと集会での言動を精査。「桜本は日本だ。デモをやって当たり前だ。終わらせてやる。一人残らず日本から出ていくまで、じわじわと真綿で首を絞めてやる」などの発言から、同法で定義する不当な差別的言動が行われていたと確認。今回は過去2回と同様、「川崎発!日本浄化デモ」と銘打ち、その「第三弾」と告知していることから、再び差別的言動がなされる可能性が高いと認められると判断した。

市都市公園条例は集会などを「公園の利用に支障を及ぼさないと認められる場合に限り、許可する」としており、集会が実施された場合、同区に数多く居住する在日外国人をはじめ市民の利用を妨げることにつながることから、不許可を決めた。

福田紀彦市長は「本市は、違いを豊かさとして認め合いながら発展してきた多文化共生のまち。不当な差別的言動から市民の安全と尊厳を守る観点から判断した」とコメントした。

デモ自体は道路の使用が許可されれば行えるが、桜本地区の在日コリアンや市民団体、川崎市日韓親善協会などが「人権侵害がこれ以上繰り返されることは許されない」として、許可しないよう川崎署に申し入れている。

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