(写真・神奈川新聞社)
■ベスト8出そろう
全国高校野球選手権神奈川大会第13日は25日、横浜スタジアムなど4会場で5回戦8試合を行い、ベスト8が出そろった。春季県大会で8強入りした第1、第2シードがすべて勝ち残った。
第1シード勢は、日大が3-3の八回、黒木恋(3年)が決勝の2点打を放ち、5-3で平塚学園を下して8年ぶりの準々決勝進出。慶応は森田晃介(2年)が好リリーフを見せて7-6で鎌倉学園を振り切った。横浜は石川達也(3年)、藤平尚真(同)の継投で向上を封じ、2-0で競り勝った。藤沢翔陵も4-0で茅ケ崎西浜を退けた。第2シード勢は東海大相模、桐蔭学園、横浜隼人、桐光学園がいずれもコールド勝ちで準々決勝に駒を進めた。公立勢はすべて敗退した。
26日は試合がなく、準々決勝は27、28の両日、横浜スタジアムで行われる。27日は慶応-東海大相模(試合開始午前11時)、日大-桐蔭学園(同午後1時30分)、28日は横浜-横浜隼人(同午前11時)、藤沢翔陵-桐光学園(同午後1時30分)。
■左右の両輪、牙城高く
左腕石川と右腕藤平が無失点リレー。横浜の左右の両輪が築く牙城はそびえ立っている。
出足は鈍かった。先発石川は立ち上がりから毎回走者を背負い、三回には1死二、三塁をつくられた。それでも、経験豊富なサウスポーは後続の4、5番を空振り三振と二飛に抑えて切り抜けると、五回から登板した藤平はさらに圧巻だった。
さえたのは右打者の外角へのスライダー。捕手のミットへ寸分の狂いもなく集めて5回1安打無失点。「これまでよりも打線が強力なので打たせて取ろうと心掛けた」。最速152キロの豪腕は大人の投球で向上を寄せ付けなかった。
昨夏の神奈川大会決勝の東海大相模戦、そして秋季関東大会初戦の茨城・常総学院戦が忘れられない。「思ったところに投げきれずにホームランを打たれた」と悔い、あまたの好投手を育んだ名門伝統の練習にいそしんだ。
ホームベースの四隅に置いたボール目掛けて投げ込んで制球力を高め、18メートル先の籠にボールを投げ入れて集中力を養った。力任せに投げていた昨年とは違い、今は剛球を操る精密さがある。
そんな背番号1に「自分の悪いときにカバーしてくれる頼もしい存在」と石川がたたえれば、藤平も「このチームなら必ず全国優勝できる。石川と2人で引っ張っていきたい」という。これで今夏のチームの連続無失点は27回に伸びた。