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(写真・神奈川新聞社)

沖縄県東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場でのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に反対の声を上げようと近隣住民や、国際的な環境保護NGOが13日、東京・千代田区の衆院議員会館で緊急集会を開いた。「無法な強行工事は絶対に止めなければいけない」「この問題は国民全体の問題。目を向けてもらいたい」と呼び掛けた。

 

「高江・やんばるの森にオスプレイパッドはいらない!」と銘打った集会で、「ヘリパッドいらない住民の会」と、「FoE JAPAN」や「グリーンピースジャパン」など10団体で構成する「辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク」の主催。定員180人の会場は立ち見の出る満員となり、社民党や共産党など野党議員もマイクを握った。沖縄県出身で自由党の玉城デニー衆院議員は「弾圧の中で工事が進められている。全国民の目を向けてもらいたい」と話した。

 

建設地周辺の住民は9月、工事の差し止めとその仮処分を求め国を提訴。原告代理人で沖縄に住む小口幸人弁護士は「なぜ建設を急ぐのか全く分からない」と指摘。高江周辺にはすでに22カ所のヘリパッドがあり今後も15カ所を使い続ける。2012年にオスプレイが配備されて以降、騒音被害は激化し、今後4カ所が新設されれば人が住めるような場所ではなくなる、という訴えの趣旨を解説した。「建設を強行する根拠は具体性を欠き、住民が受ける不利益と比較しても公益が勝るとは到底言えない」と強調した。

 

建設予定地から数百メートルの距離に住む安次嶺現達さんも「沖縄の声を全く無視して工事を強行している。国がいまやっていることは本当におかしい。騒音で子どもは睡眠不足になってしまい学校も通えない。沖縄にはたくさんの基地があるが造られてしまってはもう止められない。いま止めなければいけない」と怒りを抑えるように語った。住民の伊佐育子さんも「オスプレイが飛んでくると家の中でも内臓を揺さぶられ、ある人は吐き気、ある人は頭痛がする。5分置き、10分置きに飛んでくる。このままでは高江は人が住めない土地になってしまう」と危機感をあらわにした。

 

差し止め訴訟は20日に仮処分の審尋(非公開)、11月10日に差し止め訴訟の第1回口頭弁論、12月6日に第2回口頭弁論と仮処分の審尋が行われ、判断が下される予定だ。

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