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(写真・神奈川新聞社)

 

横浜市青葉区のフラワーデザイナー・星野久美さん(48)が、15日に米ニューヨークのメトロポリタン美術館で開かれる「花と芸術の祭典 花でつなぐ平和の輪」(一般社団法人花のある街振興会主催)に、オブジェ作品を出品する。誰もが一度は手に取ったことのある老舗メーカーの折り紙を使った、桜の花が主役の力作。「日本の春は富士山と桜。どんな風に見てもらえるか楽しみ」とその日を心待ちにしている。

 

オブジェは着物と唐傘、扇などをモチーフに、日本の文化をイメージした構成。高さ1.8メートル、幅3メートル、奥行き1メートルの大型作品だ。

 

星野さんは、2015、16年にもニューヨークでフラワーオブジェ作品を発表している。今回、普段は使わない折り紙を作品の主役にした理由は、2月に折り紙の老舗メーカー「大与紙工」(大阪市)の破産を知ったため。同時期に作品の構想を練っており、「私たちも小さいころからお世話になった折り紙。感謝の気持ちを込めたい」と考えた。

 

同社とのつながりはなかったが、関係者を探して連絡。商品を引き取ったエコホールディングス(東京都)から、折り紙、和紙、千代紙を無償で提供してもらえることになった。通常はアーティフィシャルフラワーと呼ばれる材料を使っており、折り紙での制作は初めて。「一つ一つの部品が細かいので、インパクトを出すのが大変」とデザインを試行錯誤しながら、教え子のデザイナーと計30人で、3月下旬から折り続けた。

 

作品は平和を表す親子のツルが舞い、和紙で作った富士山の前面を、5千枚の千代紙を使った千輪の桜が美しく彩る。星野さんは「全て手作りした手先の器用さなど、日本の繊細な文化を見てほしい。いずれ国内でも展示できれば」と話している。

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