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深夜飛行を巡って行われた抗議活動=米海軍厚木基地前

(写真・神奈川新聞社)

 

ごう音で夜も寝られない-。米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)駐留の空母艦載機が20日から23日未明までの3日間、日米合意で原則禁止されている夜間離着陸を繰り返し、地元で抗議の声が広がっている。両市役所には市民からの苦情が殺到。23日には大和、綾瀬市長が基地を訪れ、騒音を巡って4年ぶりに直接抗議し、24日には市民団体が基地前で抗議活動を行った。

 

「空母艦載機は訓練をするな」「違法爆音をやめろ」。厚木基地前では厚木基地爆音防止期成同盟、第4次厚木爆音訴訟団など県央地域の住民らでつくる反基地4団体が抗議の声を上げた。

 

午後10時から翌午前6時にかけて基本的に飛行しないという1963年の日米合意に触れ、飛行中止を求めた。厚木基地爆音防止期成同盟の大波修二委員長は「本当にひどい状態で許せない。北朝鮮を巡り不穏な国際情勢の中で夜間飛行が相次ぎ、市民が不安になっている」と憤った。

 

大和市によると、20日から3日間、午後10時からの約2時間に「電話のベルが鳴る音」に相当する70デシベル以上の騒音を36回確認。22日は18回に上り、13年以降の5、6月で最多だった。市民から大和、綾瀬両市へ311件の苦情が寄せられたという。

 

空母の出港直後、深夜に離着陸が行われる傾向があり、今月16日に米空母ロナルド・レーガンが横須賀を出港したばかりだった。13年にも空母出港直後の6月末から7月にかけて夜間離着陸が相次ぎ、大和、綾瀬市民から175件の苦情が寄せられていた。

 

神奈川新聞の取材に対し、米海軍厚木基地は「夜10時を過ぎてのフライトはやむを得ない任務のため」と回答。大和市によると、ジョン・ブッシー基地司令官は「市民のみなさんの苦しみは理解している。その点は遺憾に思う。深夜の飛行はできる限り行わないようにしており、(騒音軽減措置の厳守については)できるだけ従っていく」と大木哲市長に伝えたという。

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