(写真・神奈川新聞社)
安全保障関連法が成立し、19日で丸2年を迎えた。北朝鮮のミサイル開発など国際的な緊張が高まる中、19日夜に国会正門前で、平和を考え、同法に反対する大規模集会が再び行われる。
2015年9月19日午前2時18分、数々の手続きをすっ飛ばし、法案は強行採決された。当時の国会前では、数千人が「採決撤回!」と声を上げていた。
あれから2年。いま目の前にあるのは、米国と歩調を合わせて安全保障体制を強化すればするほど、日本が脅威にさらされるという不条理だ。
2年前、安倍首相は繰り返し強調していた。「あらゆる事態に切れ目のない対応ができるよう、しっかりとした備えを行う」。あたかも安保法制成立によって日本を取り巻く安全保障環境が改善するかのように。
だがその後、北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返し、米朝関係は緊迫する一方だ。北朝鮮が発射実験を行った今年8月29日と9月15日。安倍首相は直後の会見で2度とも「発射直後からミサイルの動きを完全に把握し、万全の態勢をとっていた」と言った。
実際に日本を狙ったミサイルが撃たれれば避けようがない。にもかかわらず脅威を正確に説明せずに空虚で勇ましい言葉を発し、しかし不確かな情報で国民の危機感を煽った。
想像を絶するこの不条理に国民が直面していることとと、2年前の強行採決と無縁ではない。
安保法制成立から6日後。安倍首相はこう言った。「国民の皆様の理解が更に得られるよう、政府としてこれからも丁寧に説明する努力を続けていきたい」。だがその後「丁寧な説明」はなく、一方で運用面では異常が常態化し始めている。
今年5月、海上自衛隊護衛艦が太平洋側で米軍の補給艦を防護し、今月14日には日本海でミサイル警戒に当たる米イージス艦に海上自衛隊が燃料補給を繰り返していたことも明らかになった。安保法制の名のもと、米国と一体化した歯止めなき軍事行動が進む。
思えば、こうなるであろうことは半ば予想されていた。だから2年前、反対の声は膨らみ続けた。
平和のために、何が出来るのか。19日の集会は午後6時半から、国会正門前で始まる。