(写真・神奈川新聞社)
元衆院議長の河野洋平氏が20日、東京・千代田区の日本記者クラブで会見し、安倍政権の対中、対朝外交について「非常に不満」と痛烈に批判した。「中国や韓国と共に北東アジアの安定化の将来について話し合い、いま何をしなければならないか考えなければ、北朝鮮問題は解決しない」と指摘。安倍晋三首相による解散報道についても「理解できない」と非難した。
今月、日中国交正常化45周年を祝う式典に参加するために訪中した河野氏は、45年前を振り返り「互いに理解し尊重すると約束し国交が正常化したが、今その約束が果たされているだろうか。もう一度考える必要がある」と日中関係の深化を求めた。
北朝鮮によるミサイル発射実験については「毎回、『暴挙だ。圧力を強める。制裁だ』と言い、それが奏功しないと『中国がダメだからだ』という話になる。パターン化しているが、それでは北朝鮮問題は一向に解決しない」と指摘。その上で「制裁や圧力は目的ではない。目的は北東アジアの非核化と安定だ。北朝鮮問題で最も影響を受ける日中韓が、もう一度しっかりまとまらなければいけない」と対話外交の重要性を訴えた。
安倍首相の解散方針に関しては「野党が臨時国会を召集するよう求めていたのに、ここまで開かず、その上、臨時国会冒頭で解散とはちょっと理解できない」と苦言。一方で「国民はこの間、裏切られ、願いが届かず、どれだけ悲しく悔しい思いをしたか。あの気持ちを国民は簡単には忘れないだろう」と話した。
河野氏は、河野太郎外相の父で、自身も外相を務めた。
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