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(写真・神奈川新聞)

 

人気プロレス漫画の主人公「伊達直人」を名乗り、児童養護施設などにランドセルを寄付する「タイガーマスク運動」の先駆けとなった前橋市の会社員河村正剛さん(44)が5日、横浜市中区の加賀町署で講演した。自身の生い立ちを交えながら「家族を大切にしてほしい。子どもを抱きしめるだけでもタイガーマスク運動の一員になれる」と呼び掛けた。

 

「サンタクロースの正体は親。親がいない僕にサンタは来ない」。東京都内の児童養護施設で少年(7)からそんな話を聞いたのは約20年前。その施設にランドセルを贈ったのが始まりだった。

 

小学校入学前に母親と死別し「私自身が小学校でランドセルを持っていなかったため、憧れていた」と話す。家庭環境に恵まれず、当時から「将来は子どもたちのために何かできることをしよう」と心に決めていたと振り返る。

 

以来、施設へのクリスマスプレゼントは毎年欠かさなかったが、群馬県に転勤後の2010年に初めて「伊達直人」を名乗って寄付したところ、メディアに報じられてタイガーマスク運動が全国に広まった。

 

昨年12月にはプロレスのイベントで、「伊達直人」だったことを公表。今は子どもたちを支援する「初代タイガーマスク基金」の理事を務め、前橋市とも事業で連携している。「行政や地域を巻き込むことで取り組みを全国に広げたい」と力を込めた。

 

講演は、同署が社会貢献の意義を署員に伝えようと企画。河辺裕司署長は「自分ができることを確実にこなす大切さを身に染みて感じた」と話した。