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嘉手苅地区の伝統あるエイサーを後世に残そうと勇壮な演舞を披露した嘉手苅青年会OBら=18日、うるま市石川嘉手苅(写真・琉球新報社)

【うるま】地域に伝わる伝統的なエイサーを後世に残そうと18日、うるま市石川の嘉手苅青年会OBらによる演舞の撮影会が同区公民館前で開かれた。青年会の消滅により、道ジュネーや地域行事などでのエイサー活動は約15年前から休止状態にある。平均年齢62歳の青年会卒業生32人が集まり、数十年ぶりに区伝統の力強い演舞を披露した。

 

嘉手苅区エイサーは女性も男性踊りをするのが特徴。頭にはちまきを巻いた踊り手たちは雄々しく空手の形を披露した。メインとなる締太鼓は「スーイ」と声を出しながら豊作を祈願する。

 

山城稔自治会長は「このままでは、嘉手苅地区に戦前から続くエイサーが消滅する危機がある。一度なくなったものは、復活が厳しい」と表情を曇らせた。「青年会の復活を願いつつ、子や孫の代まで嘉手苅エイサーを語り継ぎたい」と次代の子どもたちへ思いを託した。

 

踊り手最年長の池原盛助さん(77)は撮影の話を聞きつけ、約40年ぶりに踊ったという。「今回の撮影をきっかけに、若い人たちも嘉手苅エイサーに興味を持って参加してほしい」と踊り手の継承を呼び掛けた。

 

最年少で参加した伊波理奈さん(31)は「お盆の時、青年会の道ジュネーがなくて寂しかった。『一度でいいから地元で踊りたい』と思っていた」と、撮影会では先輩たちに負けないほどの勇壮な演舞を披露した。

 

会場には、数十年ぶりの地域エイサーを見ようと、住民らが小雨が降りしきる中、集まった。80代の男性は「衣装を着けたら、みんな若々しくなるね」と笑顔を浮かべ見守った。

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