(写真・琉球新報社)
【宜野湾】第2次普天間爆音訴訟の判決が17日に言い渡されるのを前に、琉球新報社は15日までに子育て中の宜野湾市民100人を対象に、米軍普天間飛行場の騒音に関するアンケートを行った。「騒音により子どもの発育に不安を感じるか」の問いに約半数の46%が「はい」と答えた。また、自由回答欄では子育て中の子どもの反応として「飛行機が飛んだ時に怖がったり、耳をふさいだりしていた」「大きな音を怖がる」などの回答が寄せられた。また、日中昼寝をしている時や夜、寝かし付けている時など「子どもが起きてしまった」と睡眠が妨げられていることに対する記述も多く見られた。
一方、過半数の54%の人が不安を感じるかの質問に「いいえ」と答えた。同市宜野湾に住み20、18、5歳の子どもを育てる42歳女性は「生まれた時から聞いている。特に(騒音が気になることが)ない」と答えた。6歳の子を持つ市真志喜に住む女性(36)は「東京から来て5年ほどたつ。最初は子どももびっくりし、空を見ていたが今はもうない。(騒音が)ないに越したことはないが、慣れてこれが日常になった」と話すなど「慣れ」により気にならないとの声があった。
どのような時に不安を感じるか尋ねた質問には「夜間の飛行」とする声が多かった。9カ月の子どもがいる市真栄原に住む女性(32)は「家が滑走路に近く、子どもが夜中に起きてしまう。睡眠不足になる」と回答した。市長田に住む女性(40)からは「(子どもが)難聴にならないか心配」とする声もあった。
騒音対策について尋ねた質問への答えは「窓を閉める」が46人、「防音工事をする」が17人、「引っ越す」が3人だった。
宜野湾市内に現在住んでいる主な理由として自由記述の中で「実家・地元」と明確に答えたのは61人で、最も多かった。そのほか「交通の便がいい」「職場に近い」などが挙げられた。
地区別の回答者数は野嵩が15人、真志喜が11人、宇地泊が10人、大山、宜野湾が各8人、長田が7人、我如古、愛知が各6人、真栄原が5人、普天間、大謝名、志真志、喜友名が各4人、上原、佐真下が各2人、赤道、神山、新城、嘉数が各1人、伊佐が0人だった。
回答者のうち女性が84人、男性が16人だった。年代は20代が15人、30代が44人、40代が39人、50代、60代が各1人。
アンケートは10~14日に市内各地の小学校、保育園、学童、公園、商業施設などで実施し、記者が対面して回答を得た。
(普天間爆音訴訟取材班)