image
(写真・琉球新報社)

 

沖縄県の翁長雄志知事は28日、12月10日の知事就任2周年を前に報道各社のインタビューに応じた。米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設が条件とされる米軍北部訓練場(同県東村・国頭村)の過半の返還計画について「苦渋の選択の最たるものだ。約4千ヘクタールが返ってくることに異議を唱えるのは難しい」と述べ、ヘリパッド建設を事実上容認する考えを示した。

 

その上で翁長知事は「SACO(日米特別行動委員会最終報告)の着実な実施と地元2村との信頼などを考える中で、オスプレイ配備撤回で物事は収れんされるのではないか」と語った。翁長知事は知事選出馬に伴う2014年10月の公約発表会見で「ヘリパッドはオスプレイの配備撤回を求めている中で連動し反対する」と明言しており、事実上の公約撤回となる。辺野古新基地建設には反対していく姿勢を改めて示した。

 

北部訓練場の現状については「環境影響評価もされないままオスプレイが飛び交う状況は大変厳しい。工事を進めるに当たっても、参院選の選挙結果の数時間後に工事が始まるのは県民の信頼を勝ち取ることから大変ほど遠い」などと政府のやり方を批判した。その上で「4千ヘクタール返すから文句を言うなというのは県民は冷静に見ている」「オスプレイの配備撤回があればヘリパッドもなかなか十二分には運用しにくいのではないか」とも指摘した。

 

最高裁に上告中の辺野古違法確認訴訟で敗訴判決が出た場合の対応を問われ、辺野古沖の岩礁破砕の再申請や設計変更、サンゴ移植などを巡る知事権限を挙げ「埋め立て承認が元に戻るにしても一つずつ判断していける。その中で(新基地建設反対の)思いを遂げていきたい」と語り、新基地建設反対を訴えていく考えを改めて示した。

 

辺野古新基地建設で海を埋め立てず既存の基地内に移設する考えの是非を問われ、「普天間基地は県外、国外」などの公約を挙げて「政府にまずは『辺野古唯一』はやめてもらいたいとの思いを伝え、新辺野古基地を造らせない、大きな成果を得るようにしていきたい」と述べるにとどめた。

 

沖縄の基地負担の現状に対する本土での理解について「いろいろな形で進んだが、まだ無関心があるので、いろいろな形で多くの方に発信することもやっていきたい」と決意を見せた。

 

知事就任から2年を振り返り「全力投球してきたつもりだ。200余の公約の実現には、取り組みにほぼ着手、推進しているところだ」と述べ、アジア経済戦略構想や子どもの貧困問題への対応などにさらに取り組みを強化させる姿勢を示した。

 

知事選で結成された「オール沖縄」の現状について「政治が県民の思いと一緒にきたのではないかと思う」と述べた。

関連カテゴリー: