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黄緑の蛍光色の液体でできた水たまりを見て、困惑した表情を浮かべる西銘晃さん

 

【東】沖縄県東村高江で米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eが不時着し、炎上した事故で、現場となった牧草地周辺には21日、事故機の小さな残骸が散乱したままになっていた。米兵が捨てたとみられるたばこの吸い殻やガムなどのごみも見つかった。ヘリが炎上し米軍が土を掘り起こした場所は7枚のブルーシートで覆われ、付近には黄緑の蛍光色の液体が数カ所で確認された。牧草地の所有者である西銘晃さん(64)は「こんなことは初めて。急なことで判断が付かない」とぼうぜんとした様子だった。

 

事故現場から米軍や県警が撤収し、一夜明けた牧草地は静寂に包まれていた。ブルーシートに近づくと、化学物質や油が燃えたような、鼻を突く臭いがまだ残っていた。青々と色づいているはずの牧草は大型の重機で踏みつぶされて茶色くひしゃげ、泥にまみれていた。

 

日中、現場を確認した西銘さんは雨に混じった黄緑色の液体に不安を感じ、その場で沖縄防衛局の職員に電話をかけた。「ヘリから漏れたのか、作業中に漏れたのか。有害物質だったらどうする」と問い掛けたが、職員は「すぐに答えられないので確認する」とだけ答えた。残骸とみられる鉄の塊と、黒く焼け焦げた燃えかすがぐちゃぐちゃの泥の上に無数に散らばっていた。西銘さんは「こんなものはもともと畑にない。パーツだよね。米軍は部品を回収するのがめんどくさくて土をいっぱい持って行ったのに回収できていない」とため息を漏らした。

 

機体の残骸だけでなく、たばこの吸い殻が11本、吐き捨てられたガムや菓子の包み紙など2袋分のごみも米軍がテントを設置した付近や日米が管理する内周規制線周辺で見つかった。

 

たばこを吸わない西銘さんは「これはマナーの問題。あまり良い気持ちはしない」と話す。ブルーシートから100メートルほど離れた場所には、青々とした牧草がまだ少しだけ残っている。西銘さんは「本当はこんなだったんだよ。きれいだろう」と弾んだ声で言った。だが、この牧草はもう出荷できない。「こんな状態じゃ何が入ってるか分からない。家畜にあげられない」と肩を落とした。

 

地面には米軍車両のタイヤ痕が残っており、牧草地とは思えないほど土が荒らされていた。「ヘリの場所だけかと思ったけど、関係のない場所まで牧草がつぶされている」と厳しい表情で目を伏せた。ぼうぜんと立ち尽くした後、しばらく沈黙が流れた。茶色く、変わり果てた牧草地を見て、1度だけ鼻をすすった。

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