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那覇市内のスーパー。台風などの影響で野菜の価格が高騰している=15日

 

昨秋以降、台風や天候不順などの影響で全国的にダイコンやハクサイの値段が高騰している。沖縄県産のキャベツやレタスも成長不良で高値傾向が続く。スーパーでは小分けにし、値段を抑える工夫をしているが、この時期の鍋料理などに欠かせない冬野菜の高騰が家計を直撃している。

 

県中央卸売市場の沖縄協同青果の担当者は、大半が県外産のダイコンやハクサイの卸売価格を「異常に高い相場」と話す。ダイコンはキロ単価273円で平年の約3倍、ハクサイは同167円で平年の約1・8倍の高値となっている。

 

県産も高値傾向で、キャベツはキロ単価337円で平年の約3倍、レタスは同269円で平年の約1・7倍で取引されている。県外産野菜の高値の理由について、担当者は「昨年10月の台風で植え付けた作物の生育が悪化し、その後も低温で生育環境が整っていない」と説明。県産については「天候不良や低温などで生育が遅れている」と話した。

 

店頭での小売価格もつり上がっている。県内のスーパーでは、1玉400〜500円の値札を付けたキャベツやレタス、700円近いハクサイも。大手スーパーのサンエーでは価格の上昇を受け、レタスの4分の1カットやダイコンの3分の1カットなど、昨年にはなかった小さな規格を作り販売している。イオン琉球や金秀商事も小分けにするなどの対応を取る。

 

離島も本島と同様の状況で、Aコープ南大東店は「ダイコンやキャベツなど島にない野菜が高い。棚を空けるわけにいかないので並べるが、店の利益はほぼない」と話した。

 

那覇市のスーパーに来店した女性(45)は「高いので1玉は買えず、少量にカットされたのを買っている」と話した。迷って半玉のレタスを購入した女性(27)は「サラダで食べたいが1玉は高くて買えない」と話した。

 

小売店によると、冬野菜の売れ行きが落ちる一方、もやしや豆苗(とうみょう)、カット野菜やキノコなど、値段がそれほど変わらない野菜の売れ行きが好調だという。

 

今後について、沖縄協同青果の担当者は「1月は高値基調が続くとみられる」と話し、小売店のバイヤーは「2月に入り、県外産が増えてくれば、県産野菜の価格も落ち着くだろう」という見通しを示した。

(中村万里子、大橋弘基)

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